荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第222回

今年もゲット！　「iPhone 4S」で猫写真

「フォトストリーム」がとっても便利！

左手の指で「大五郎」を誘いつつ、右手でiPhone 4Sを持って撮影。蛍光灯の下だと思っていたよりきれいに撮れる（2011年10月 アップル iPhone 4S）

　大五郎は写真嫌いで、iPhoneを持って近づくと逃げちゃうから（小さいときから撮りまくり過ぎたらしい）、左手で気をそらしつつ右手でパシャリ。けっこう撮れるもんである。

　室内での画質はiPhone 4より確実に上がってる。

　対してかふかはiPhoneを持って近づくと、興味を持ってじーーっと見つめ返してくれる（前ページ冒頭写真）。

　でもiPhoneが素晴らしいのはむしろ撮った後。山ほどあるアプリで写真をいじったり投稿したりできるのもそうなんだけど、iOS5から「フォトストリーム」って技が加わった。

　無線LANにつながると、知らない間に撮った写真を全部「クラウド」にアップロードしてくれるのだ。で、同じアカウントをセットしたフォトストリーム対応機器（iPadやパソコン）に、クラウドにあがった写真が自動的に落ちてくるのである。

　たとえば、iPhone 4Sで大五郎の寝ている写真を撮る。そしてiPad 2を開くと「フォトストリーム」アルバムにさっき撮った大五郎の写真がもうあるのだ。

　写真をレタッチするときは画面が大きいiPad 2の方が都合がいいから、iPad2でそれを開いてレタッチする。

　今回は大五郎の白さを生かすべく、「Photo fx Ultra」ってアプリでほんわりと幻想的に仕上げてみた。

　完成したら保存するや否や自動的にフォトストリームに上げられるので、MacBookを開いてiPhotoを起動する。すると、フォトストリームの写真が自動的に降ってくるのだ。だからそこからさっきレタッチした写真を猫連載用のフォルダに書き出すのである。

iPhone 4Sで撮ってiPad2の「Photo fx Ultra」という画像処理アプリで開き、モノクロにしてFogフィルタをかけて保存したもの。画面が大きなiPad2で写真をいじるのはなかなか楽しい

　それがこれ。写真を撮ってから仕上げるまでの一連の流れが快適すぎるのだ。何しろ、私はアップロードやダウンロードって操作を1度もしてないのだから。

2匹が並んでくつろいでるところをiPhone 4Sで撮影し、iPad2のSnapSeedってアプリでDRAMAフィルターなどをかけて仕上げてみた

　おまけでもう1枚。これも同じようにiPhone 4Sで撮って、iPad 2でレタッチしたもの。

　実のところ、撮った写真を自動的にクラウドにあげる系のソリューション自体は新しくもなんともない。すでにある（Eye-Fiとか）。

　でも、それをこれだけわかりやすく簡単に、快適に実現したサービスははじめてだろう。多機能よりも、誰もが簡単に使えるシンプルなものを、と考えたスティーブ・ジョブズの思想の賜物である。

　デジタル機器で人々の生活を変えようとし、本当にそれを実現したスティーブ・ジョブズ氏に敬意を表すると同時に、謹んでご冥福をお祈りします。

筆者紹介─荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイ ン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩で、天気がいい日は自転車で都内を走りながらネコを探す日々。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい！』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』（ソフトバンク新書）。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/