「情報アーキテクチャー」(インフォメーション・アーキテクチャー、IAとも呼ばれる)とは、複雑な情報をユーザーに分かりやすく伝え、使い勝手のよいWebサイトにするための技術や役割のことです。
Webサイトのビジュアルだけでなく、高いユーザビリティやユーザーエクスペリエンスを実現するには、ユーザー視点でのサイト設計や検証が必要です。加えて、予算やスケジュールといったビジネス視点も欠かせません。それら両方の要求を満たすためには、サイト設計のプロである「インフォメーション・アーキテクト」の存在が重要になります。
情報アーキテクチャーは技術や役割を示し、それを実践する担当者や専門家のことをインフォメーション・アーキテクトと呼びます。
実装に必要な全体像を描く
インフォメーション・アーキテクトは情報アーキテクチャーの考え方に基づき、さまざまな成果物を作成します。
たとえば、正確なユーザー像をとらえるための「ペルソナ/ユーザーシナリオ」や、テストを通じてサイトの使い勝手を評価する「ユーザビリティ調査計画」「ユーザビリティ調査分析」、競合サイトを定義・調査する「競合分析調査」などは、サイトの現状やターゲットを明確にするために必要な成果物です。
ほかにも、サイト全体の構造を俯瞰するための「ハイレベルサイトマップ」や、コンテンツの位置付けを分類した「コンテンツマッピング(コンテンツマトリックス)」、ページを構成する要素をまとめた「ワイヤーフレーム/コンテンツ仕様書」など、Webサイトのデザインや実装に必要な全体図を描くのが情報アーキテクチャーの役割です。
もちろん、前にあげた成果物は必ずしもすべてが必要なわけではなく、プロジェクトの規模や予算に合わせて、必要な成果物を検討して制作します。
インフォメーション・アーキテクトの役割
情報アーキテクチャーの業務は、実際の制作案件ではWebディレクターやプロジェクトマネージャーなど、他のスタッフが分担しているケースも少なくないでしょう。
しかし、情報アーキテクチャーの扱う範囲は広く、インフォメーション・アーキテクトには調査・分析、デザインマネジメント、プロジェクトマネジメント、コミュニケーションなど、さまざまな能力が要求されます。
大規模サイトや複雑なサイトの構築ではインフォメーション・アーキテクトを制作チームに組み込み、それぞれの役割分担を明確にしましょう。
著者:アンティー・ファクトリー
アンティー・ファクトリーはWeb戦略だけでなく、タッチパネルやスマートフォンなどの各種インターフェイス・アプリケーション開発、次世代広告コミュニケーションの設計や開発を行っています。ワールドワイドなクリエイティブを展開し、発展しつづける会社です。