日本のITベンチャー、オーリッドが発売したクラウドノート「KYBER SmartNote」(3冊セットで1500円)が非常に熱い。Amazonでも売り切れが続いている。クラウドノートというと「Evernote」的ではあるけど、プラスアルファがすごいのだ。
(1) ノートに手書きしたメモを専用のiPhoneアプリで撮影する
(2) アプリがメモの画像をサーバーにアップロードする
(3) アップロードされた内容がOCRにかけてテキスト化される
(4) テキストがバラバラに分割されてスタッフが(人力で)“校正”する
(5) ほとんど完璧になったOCR結果が最速約90秒で納品される
この(4)、「スタッフが“校正”する」がキモ。「OCR前の画像」「OCR後の文字」は日本と中国にいる1000人以上のスタッフに振り分けられる。OCR結果が合っているかを、人間が○×でチェックする驚異のしくみだ。そりゃ生身の人間が入ればOCRの精度も上がるだろう、という冗談のような構造になっている。先週載せた取材記事が反響を呼んでいるので、調子に乗ってレビュー記事も書いてみることにした。
人が関わっているといわれて気になるのは、個人情報の保護だ。
KYBERを含むオーリッドのサービスは、OCRの結果をシュレッダーのように細かく分割し、正誤を校正するスタッフに回す仕組みになっている。SmartNoteではどこまで分割されるのか聞いてみたところ、回答は行単位だった。1行あたりの文字数は10~15文字。つまり、「細かく書いてもまあこれくらいだね!」くらいの文字量が1人1人のスタッフに割り振られることになる。
ということは、個人情報を書く際は「改行」が重要になりそうだ。郵便番号、住所、年齢、性別、電話番号、メールアドレス、etc……のメモをとる際は、
カイバ太郎
kyber@ta.rou
というふうに改行してメモをとれば、行単位で“断片化”されることになり、“個人情報”にはならない。ここは使う側の自己責任かもしれないが、ちょっと恐い。少なくとも注意書きに入れておいてほしいなと思ったので、そこはオーリッドにお願いしておくことにした。
そんなKYBER SmartNoteが実際に使えるかどうかをいろいろチェックしてみた。