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きんどるちゃん 「ムチャな改造しちゃだめーっ!」

Kindleをハックして日本語入力もPDF作成も自由自在!?

2011年08月31日 12時00分更新

文● どら饅頭

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にほんごのおべんきょう

 あんしーちゃんのおてつだいがあれば、きんどるちゃんににほんごではなしかけることができます。にほんごのかけるめもちょうがあれば、きんどるちゃんもにほんごでぶんしょうをかけるかも!

きんどるちゃん、正気に戻って!

 Kindleで日本語を入力するためには、日本語変換エンジン(IMEやATOKのようなもの)と入力メゾットフレームワーク(ユーザーのソフトウェアと日本語変換エンジンをつなぐもの)が必要です。

 Linuxでよく使われる日本語変換エンジン「anthy」と、入力メゾットフレームワーク「UIM」をクロスコンパイルして使用しましょう。UIMの設定で、変換エンジンをanthy-utf8とし、入力モード切替キーを[Ctrl]+[o]のような普段使用しない組み合わせのキーに割り当てておきます。

 そして、UIMを端末エミュレーター上で使うためのuim-fepコマンドを実行すると、ついにKindleの画面で日本語が入力できるようになりました!

 ただし、Kindleにデフォルトで入っているシェルやviは日本語に対応していないため、このままでは入力した日本語を利用することができません。

日本語でお仕事させるには……?

 日本語を覚えた彼女がこれを生かして働くためには、いろいろなスキルが必要。さて、彼女に何を覚えてもらいますか。

 Kindle上で様々なソフトを実行するためには、クロスコンパイルが必要です。「bash」(シェル)、「vim」(テキストエディター)、「latex」(組版)を入れておくと便利でしょう。

 vimは独特のコマンドで操作する、速度・容量とも超軽量なCUIのテキストエディターです。他の有名なテキストエディター、たとえば「emacs」では200MB以上の容量を使用するため、Kindleには不向きです。

試しに、この記事のLaTeX版をKindleの中でコンパイルしてみた

 latexはテキストベースの組版処理システムで、「LaTeX(らてふ)」コマンドを用いた組版が可能です。LaTeXは数式や章構成などを、コマンドを使って書くことできれいに出力してpdfファイルなどを作成できるため、論文を書くときなどによく使われています。

 今回は、クロスコンパイルのしやすさから、「pdflatex」を使用することにしました。ただし、pdflatexは日本語を含むLaTeXを直接コンパイルすることができません。

動画で見るKindleハック:LaTeXでこの記事をPDF化

 そこで、W32TeXに含まれるtopdftexフィルタをKindle用にクロスコンパイルしたもので、日本語部分をUnicode文字を埋め込むパッケージ(ums.sty)を使用した表記に変換することで、日本語を含むLaTeXソースがコンパイルできるようになります。

 ただし日本語フォントをTeX環境に組み込んでおく必要もあり、かなり上級者向けの作業内容といえます。

動画で見るKindleハック:Kindleで日本語入力&保存もOK

人見知りを直してネット世界に羽ばたかせよう!

筆者のホームページを表示。JavaScriptも含めてだいたい正しく表示される

 アマゾンさんちの箱入り娘、きんどるちゃんは外への自由なアクセスを禁じられています。外の世界に羽ばたくためには、親元を離れて自分の道を進むことが必要でしょう。

 Kindleは世界中で書籍の購入とウェブ閲覧ができる代わりに、その通信内容と通信速度が制限されており、たとえばsshでサーバにログインするような通信はできません。

 そこで、KindleのSIMカードのふたを開け、Oberthur社製のAmazon用SIMカードを取り外し、データ通信用のカード(日本通信など)に交換します。

 そして、PAP鍵ファイル(/etc/ppp/pap-secrets)に使用するSIMカードのIDとパスワードを記入、さらに国際版3G通信初期化スクリプト(/etc/ppp/chat/connect-3)にアクセスポイント名とダイヤル方法を記入することで、自由で高速な通信が可能となります。

SIMカードを交換すれば無料ネットワークの制約がなくなる。あとは便利に使おうじゃないか

Kindleは本を生み出す力すら持つ端末だ

 ――読み終わった小説を閉じ、新聞をチェック後、今度のプレゼンのための文書を高品質なPDFで生成する――本を読むだけでなく、本を生み出すことすら可能な力を持つ、それがKindleなのかもしれません。

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