鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第38回
3Dとゲームに夢中になる喜びをあなたにも!!
ゲーマーのための極上テレビ「REGZA 26ZP2」(後編)
2011年07月21日 12時00分更新
老眼でも携帯ゲームがプレイできる!
若干、26ZP2のレビューから逸れてしまった気がするので、話を戻す。本機のもうひとつの本命であるゲームの話をしよう。
ゲームモードの画面サイズが多彩に用意されているのはREGZAの大きな特徴。多岐に渡りすぎていて「実際どのくらい違うのか」には興味があったので、今回「プレイステーション・ポータブル(PSP)」で試してみた。
PSPはワイドサイズのSD映像なので、任天堂の「Wii」はもちろん、すでに生産が終わっている古いゲーム機の映像とほぼ同様と考えてほしい。
基本的には、4:3ならば「ゲームノーマル」、16:9ならば「ゲームフル」というモードを使う。ゲームノーマルはアスペクト比の関係で両側に黒幕が入るが、基本的にはゲーム映像を画面いっぱいに拡大するモードだ。
似ているようで微妙に違うのが「SDゲームファイン」と「レトロゲームファイン」。名称から想像するに、前者はWiiのような比較的新しいSD映像のゲーム機用で、後者は古いゲーム機用のモードと考えられる。
仕組みとしては、どちらもアスペクト比を維持したまま解像度を等倍に拡大するもので、アスペクト比への影響がないなど正確性重視のモードだ。無理矢理画面いっぱいに拡大するのではないため、画面の周囲に黒幕が現れる。ここまでは同様だ。
SDゲームファインとレトロゲームファインでは、輪郭処理などに違いがあることに気付いた。画像処理ソフトなどでも行なわれる“アンチエイリアシング処理”の違いに近いもののようで、SDゲームファインの方が文字の斜めのラインがスムーズに再現され、レトロゲームファインでは、アンチエイリアシング処理をほとんどせずにドット感をそのまま再現している。
これはつまり、「ファミリーコンピュータ」などの低解像度なコンテンツをアンチエイリアシング処理で良い意味でスムーズに、悪い意味ではぼやけた映像で再現せず、ドットをそのまま拡大したかのような表示をしていることがわかる。
このあたりはファミコンなどを実際に使って試してみるとより違いがわかるだろう。昔は「ドット避け」などという表現も使われたシューティングゲームにおいて、輪郭が滲んでしまうことで当たり判定が判別しにくくなることを嫌うヘビーなシューターならば、レトロゲームファインのありがたさはよく分かるはず。
続いて、今度は「ポータブルズーム」を試してみた。PSPはメニュー画面などはSD出力だが、ゲーム画面はそれよりも約半分ほどの解像度しかなく、そのままテレビに表示するとかなり大きな黒枠の中に小さな画面が表示されることになる。
これを拡大して画面いっぱいに表示するのがポータブルズームだ。「オートポータブルズーム」は新規に搭載された機能で、入力信号に応じて自動でゲームフルとポータブルズームを切り替えてくれる便利な機能と理解していた。
だが、写真を見ればわかる通り、なぜかオートポータブルズームでは画面いっぱいに拡大されない。この挙動の違いがどうして発生するのかは残念ながらわからない。液晶テレビは焼き付きの影響は少ないので、多少の黒枠は気にしないでいいかもしれないが、プラズマユーザーにとっての黒枠は顔面がひきつるほどに不快な表示なので、液晶テレビであっても身体が拒否してしまう。
ポータブルズームの画面いっぱい表示を見てしまうと、一般ユーザーもオートポータブルズームできちんと画面いっぱいに拡大された方がいいと思うだろう。
ちなみに、PSPのゲーム画面をテレビの画面いっぱいに拡大表示できる機能は実にありがたい機能だと、個人的には思っている。
というのも筆者は携帯ゲーム機とは相性が悪い。「どこでもできる、いつでもできる、だからやらない」と言ってしまうと身も蓋もないが、「斎戒沐浴して、周囲の人間には旅に出ると告げ、一度腰を下ろしたらゲームが終了するまでテレビの前を離れない」と覚悟を決めてプレイを開始する据え置きゲーム機の方が、だからこそすべてを犠牲にして熱中できると思う。
そんな個人の嗜好はさておき、どうやらその本当の原因が年齢的に小さく細かいものを長時間見つめるのが苦痛という症状(つまり老眼)によるものらしいと気付いた。だから、携帯ゲーム機の画面は小さすぎるのだ。できるだけ大きく拡大したいのだ。
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