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アクセスレポートと定期ミーティングでサイトを改善

2011年07月14日 11時00分更新

文●奈良 梢/環

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 Webサイトを運営していると、設定したKPIと実態とのズレから何らかの改善が必要になっていきます。Webサイトの改善にあたっては、関係者間で目的を共有するために、議題となる根拠をまとめた「アクセス解析レポート」を作成し、Webサイトの現状と今後の方針について決定する定期ミーティングを開催します。

アクセス解析レポート作成のポイント

 「アクセス解析レポート」とは、アクセス解析ツールから得たデータを整形し、Webサイトの現状と課題点、改善点をまとめたドキュメントです。盛り込む項目は、全体サマリー、アクセス数比較、コンテンツ別アクセス数推移、外部リンク元分析、検索フレーズ分析など多岐にわたりますが、中でもクライアントにとって重要なのがコメントです。

 コメントは、たとえば「新しいキャンペーンページの開設によって、添付資料のような分析結果が得られました。原因として検索エンジンからの流入が減少傾向にあること、連休中であったことなどが考えられます。これらによって導き出した課題点であるアクセス数の低迷に対しては、サイト更新頻度のアップ、メルマガ配信時間帯の変更といった改善策が考えられます」のようになるべく具体的に記載します。分析結果と課題点だけでなく、必ず「改善策」についても触れるとよいでしょう。また、クライアントの事業やビジネスモデルも考慮に入れてレポート作成すると、より有意義な内容にとなります。

定期ミーティングにはレポートも持参で

 定期ミーティングの狙いは、関係者間の意識共有です。ミーティングでは、分析結果を報告して、結果に対する課題点と改善点を述べます。上下した数値の良し悪しを言うのではなく、実施した施策や環境要因の結果も含めて数値を追っていくことが重要です。また、数値そのものの説明と、それに対する見解は混在しがちなので、相手が誤解しないように気を配りましょう。もちろん、ミーティングには、アクセスログ解析レポートを必ず持参します。

 繰り返しになりますが、アクセス解析レポートや定期ミーティングは結果報告のためのものではありません。あくまで「改善」が目的だということを忘れずに作成・実施しましょう。

著者:株式会社 環

Web解析を軸に2000年創業。「誰もがチャンスをつかめる社会を創る」を理念に地方中小企業に対しアクセス解析ツール「シビラ」とWeb解析コンサルティング、Webサイトの改善やリスティングの最適化を提案している。楽天ビジネスアワードを4回受賞。JWDAウェブ解析&リサーチ委員会委員長。最近は「JWDAウェブ解析士」の運営支援も行なっている。現在Web解析に関心がある人材を募集中!

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