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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2011 第2回

知ったかできるパーツ基礎知識【ストレージ編】

2011年04月13日 12時00分更新

文● 池座 優里

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2011年SSD選択のポイント

 ここまで、SSDについての説明が簡単だが終わったところで、次は購入する際のポイントをみていくことにしたい。SSDはHDDに比べてメーカー数も多く、購入の際にどの製品を選べばいいか迷うという人も多いはず。そこで、今回は価格表に掲載されている情報を基にポイントを説明していきたい。

ショップごとに記載内容に多少違いはあるものの、インターフェイス、コントローラのタイプ、転送速度、キャッシュ容量、フラッシュメモリのタイプなどが記載されている

ポイント1
対応インターフェイスを確認

 まず重要になるのが接続インターフェイスだ。最近ではIntel 6シリーズやAMD SB850のようにチップセットレベルでSATA3.0に対応した製品もある。しかし、少し前のマザーボードや廉価な製品では3Gb/sのSATA2.0までしか対応していない製品もまだまだ多い。
 また、P55やH57/H55などの第1世代Core iシリーズ(LGA 1156版CPU)向けチップセットを採用した製品では、そもそもチップセットの制限により帯域が不足するため、SATA3.0ポートが搭載されていてもSSDの性能を最大限に発揮できないこともあるので注意が必要となる。

P67/H67では2ポート(白)がSATA3.0に対応、残りのポート(赤)は3Gb/sのSerial ATA 2までの対応となる

SB850では6ポートすべてSATA3.0に対応する

 さらに、これまでは10万円を超える非常に高価だったPCI Express接続のSSDにも廉価な製品が登場している。コントローラを2台搭載した製品なら3万円前後、コントローラを4台搭載した製品でも5万円前半からと、これまでよりもずいぶんと手が出しやすくなってきた。性能を重視するならあえて検討してみるのもいい。

PCI Express x4に対応したOCZ「RevoDrive X2 PCI-Express SSD」。SandForce SF-1200を4基搭載しRAID 0構成とすることで、データ転送速度は最大読込740MB/sec、最大書込690MB/secと非常に高速だ。100GBモデルで5万3000円前後、160GBモデルで6万7000円前後とこれまでのPCI Express接続の製品に比べて安価。また、SandForce SF-1200を2基搭載した下位モデル「RevoDrive PCI-Express SSD」なら120GBモデルで3万円前後から購入できる

ポイント2
SSDの性能を決めるコントローラチップ

 SSDの性能を決める上で、コントローラチップは非常に重要だ。転送速度やキャッシュメモリの有無、対応インターフェイスなどSSDの特徴はコントローラチップで決まるといっても過言ではない。
 SATA2に対応したSSDでは、安定したシーケンシャル性能と高速なランダムアクセスが特徴のIntel製コントローラチップを搭載した製品や、独自の手法でSATA2の限界に近い280MB/secを超える性能を誇るSandForce製コントローラチップを採用した製品が人気となっている。

Intel製コントローラチップ「PC29AS21BA0」

データを圧縮することで高速化するSandforce製「SF-1200」コントローラチップ

 一方、SATA3.0に対応したSSDはチップに違いはあるものの現状ではすべてMarvell製のコントローラを採用した製品となっている。

SATA3.0に対応したMarvell製「88SS9174-BKK2」コントローラチップ

 また、第一世代SSDで主に採用されていたJMicron製「JMF602」は、アクセスが集中した場合にSSDへのアクセス速度が極端に低下するという、いわゆる“プチフリーズ(プチフリ)”と呼ばれる現象が発生し問題となった。最近ではほとんど市場で見ることはないが、たまに特価品として販売されることがあるため購入する際は注意してほしい。

ポイント3
容量と転送速度の違い

 冒頭でも触れた通り、現在SSDを取り扱うメーカーは非常に多く、さまざまなメーカーから新モデルが発売されている。性能については先ほど述べたようにコントローラチップに依存するところが大きく、またOEM販売されている製品も多い。

Corsair製「Performance 3」シリーズ

 よってカタログスペックが異なっていてもメーカー間の性能差がほとんどないこともよくある。そのような場合は、マウンタやソフトウェアなどの付属品や保証期間、販売価格を元に購入する製品を決定するとよいかもしれないが、個人の好みで選んでしまってももちろんかまわない。

Corsair製「Performance 3」シリーズの転送速度の違い
  最大読込速度 最大書込速度
「CSSD-P364GB2-BRKT」(64GB) 365MB/sec 110MB/sec
「CSSD-P3128GB2-BRKT」(128GB) 410MB/sec 210MB/sec
「CSSD-P3256GB2-BRKT」(256GB) 480MB/sec 320MB/sec

(次ページへ続く)

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