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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2011 第1回

知ったかできるパーツ基礎知識【CPU/マザー/メモリ編】

2011年04月12日 12時00分更新

文● 池座 優里

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AMD製CPUのラインナップ

 次にAMD製のCPUについて解説していこう。AMD製のデスクトップPC向けCPUは上位版の「Phenom II」と「Athlon II」の2つのセグメントに分かれているが、ソケットはすべて「Socket AM3」で統一されているためプラットフォームの選択は簡単だ。しかし、製品ラインナップが多く価格差も小さいため、どのCPUを選択すればいいか迷うことが多いだろう。そのため今回はセグメントごとにわけて製品を確認し、お勧めCPUを紹介していきたいと思う。

AMD製のデスクトップPC向けCPUの上位モデル「Phenom II」。左の黒い箱は倍率固定を解除したBlackEdition、右の紫の箱は通常の「Phenom II」

AMD製のデスクトップPC向けCPUの下位モデル「Athlon II」

 また、省電力向けとして「Fusion APU」の「AMD E」シリーズのが販売されているが、こちらはIntelのAtomと同様、デスクトップCPUに比べて性能を抑えて消費電力を削減したモデルとなっている。

「Phenom II」のラインナップ

 Phenom IIは、コア数によって3タイプに分けられる。6コアの「X6」、4コアの「X4」、2コアの「X2」だ。

Phenom CPUスペック表
CPU Phenom II
X6 1100T
BlackEdition
Phenom II
X6 1090T
BlackEdition
Phenom II
X6 1065T
Phenom II
X4 970
BlackEdition
Phenom II
X4 965
BlackEdition
Phenom II
X4 955
開発コード Thuban Thuban Thuban Deneb Deneb Deneb
プロセスルール 45nm
コア数 6 6 6 4 4 4
動作クロック 3.3GHz 3.2GHz 2.9GHz 3.5GHz 3.4GHz 3.2GHz
L2キャッシュ 512KB×6 512KB×6 512KB×6 512KB×4 512KB×4 512KB×4
L3キャッシュ 6MB 6MB 6MB 6MB 6MB 6MB
TDP 125W 125W 95W 125W 125W 125W
CPU Phenom II
X4 910e
Phenom II
X4 905e
Phenom II
X2 565
BlackEdition
Phenom II
X2 560
BlackEdition
Phenom II
X2 555
BlackEdition
開発コード Deneb Deneb Callisto Callisto Callisto
プロセスルール 45nm
コア数 4 4 2 2 2
動作クロック 2.6GHz 2.5GHz 3.4GHz 3.3GHz 2.2GHz
L2キャッシュ 512KB×4 512KB×4 512KB×2 512KB×2 512KB×2
L3キャッシュ 6MB 6MB 6MB 6MB 6MB
TDP 65W 65W 80W 80W 80W

 まず最も注目すべきはAMD初の6コアCPU「Phenom II X6」の存在だ。基本設計は、これまでの「Phenom II X4」と同様ながら、コア数を6つに増やした製品だ。さらに、新機能として「TurboCore」が用意されている。これは、すべてのコアに負荷がかかっていない状態で発熱量に余力がある場合に、残りの3コアに対して自動的に動作クロックを定格よりも上に引き上げ性能を向上させる機能で、Intelの「TurboBoost」と同じようなものと考えてもらえばいい。
 なお、Phenom II X4や「Phenom II X2」についてはクロックが向上したモデルが発売されているものの昨年から大きな違いはない。また「BE」ことBlackEditionは倍率固定が解除されており、CPU倍率が自由に変更できる点も、Intelの“K”型番と同様だ。

「Athlon II」のラインナップ

 Athlon IIもPhenom II同様、コア数によって製品名が決められており、現在は「X4」、「X3」、「X2」の3タイプが存在している。

Athlon CPUスペック表
CPU Athlon II X4 645 Athlon II X6 640 Athlon II X4 615e Athlon II X3 450 Athlon II X2 265 Athlon II X2 260
開発コード Propus Propus Propus Rena Ragor Ragor
プロセスルール 45nm
コア数 4 4 4 3 2 2
動作クロック 3.1GHz 3GHz 2.5GHz 3.2GHz 3.3GHz 3.2GHz
L2キャッシュ 512KB×4 512KB×4 512KB×4 512KB×3 1MB×2 1MB×2
TDP 95W 95W 45W 95W 65W 65W
CPU Athlon II X2 255 Athlon II X2 250 Athlon II X2 250e Athlon II X2 245e Athlon II X2 240e
開発コード Ragor
プロセスルール 45nm
コア数 2
動作クロック 3.1GHz 3GHz 3GHz 2.9GHz 2.8GHz
L2キャッシュ 1MB×2
TDP 65W 65W 45W 45W 45W

 Athlon IIとPhenom IIの違いは、L3キャッシュの有無となる。こちらもコア数によって「Athlon II X4」、「Athlon II X3」、「Athlon II X2」の3つのラインナップが用意されている。またモデルナンバーの後ろに「e」が付くモデルは省電力モデルでTDPが45Wと低くなっている。

中間モデルを選択するメリットは少ない

 AMDプラットフォームで性能を重視する場合は、最上位のPhenom II X6をお勧めしたい。最上位となる「Phenom II X6 1100T BE」で2万1500円前後、「Phenom II X6 1090T BE」なら1万9000円前後と比較的手を出しやすい価格となっている。また、コア数ではなくクロック周波数を重視するなら3.5GHzとAMDで最高クロックを誇る「Phenom II X4 970 BE」がいいだろう。

6コアCPUながら3.3GHzと高いクロックを実現した、Phenom IIシリーズの最上位モデル「Phenom II X6 1100T BE」

 逆にコストパフォーマンスを重視するなら3GHzを超えるクロックながら5000円前後で購入できるAthlon II X2のもっとも安価なモデルがおすすめ。いずれにしても価格差が小さく中間モデルに魅力がない。購入前にハッキリとした方針を固め、最上位または最下位モデルを選択するのがいいだろう。
 また、Phenom II X2やAthlon II X3は、無効化されているコアやキャッシュを有効化することでPhenom II X4やAthlon II X4として使用できる製品もあり、マザーボードにもコアアンロック機能を謳う製品も発売されている。しかし、このような使い方はオーバークロック同様に保証対象外となるだけでなく、確実に復活できるわけではない。あくまでも遊びの範疇で、安定性を重視するなら手を出さないほうが無難である。

AMDプラットフォームのマザーボード

 AMDのSocket AM3に対応する主なチップセットにはGPU機能のない「AMD 890FX」、「AMD 870」と、GPU機能のある「AMD 890GX」、「AMD 880G」がある。

AMD チップセット表
チップセット AMD 890FX AMD 870 AMD 890GX AMD 880G
PCI Expressレーン数 42 22 22 22
CrossFire X対応 - -
内蔵GPU - - Radeon HD 4290 Radeon HD 4250
内蔵GPUクロック - - 700MHz 560MHz
対応サウスブリッジ SB850 SB850/SB710 SB850 SB850/SB710

 AMDの内蔵GPUはオンボードとしては高性能だが、ゲームを快適にこなすほどではない。ゲーム向けハイエンド構成を考えているならフルレーンのCrossFire Xに対応した「AMD 890FX」搭載マザーボードがいいだろう。
 シングルGPUや内蔵GPUを使ったハイエンドPCを考えているなら「AMD 890GX」マザーボードがいい。AMD 890FXやAMD 890GXは上位版のチップセットのため、独自の冷却機能や良質のコンデンサを採用するハイエンド向けの製品が多くなっている。また、これらのチップセットと組み合わせて使用されるサウスブリッジの「SB850」はSATA3.0に対応している。SATA3.0対応のSSDと組み合わせれば、高速なストレージ環境を構築できるのも魅力だ。

最近になって登場した、AMDの8コア新型CPU(コードネーム:Bulldozer)に対応するという「Socket AM3+」対応マザーボード。基本スペックに変更はないが、対応CPUの登場が近いことを伺わせるトピックといえそうだ

 AMD 870、AMD 880Gは廉価版のチップセットということで、安価な製品が多くなっており、コストを重視する場合にはこちらを選択するといいだろう。ただし、これらのマザーボードにはサウスブリッジに「SB850」を採用した製品と「SB710」を製品が混在している。SATA3.0を使いたい場合は必ず「SB850」を採用した製品を選択してほしい。

AMD サウスブリッジ表
サウスブリッジ SB850 SB710
ノース-サウスブリッジ帯域 2GB/s 1GB/s
SATA 転送速度 6Gbps 3Gbps
SATAポート数 6ポート 6ポート
RAIDサポート 0/1/5/10 0/1/5/10
USB2.0ポート数 14 12
PATA -

Atom対抗となるFusion APU「AMD E」シリーズ

 AMD初のCPU/GPU統合プロセッサFusion APUの第1弾としてリリースされた「Eシリーズ」と「Cシリーズ」。いずれも低価格、省電力向けのプロセッサで、これまでAMDが苦手としてきたレンジをカバーするべく投入された製品群だ。

「Zacate」ことAMD Eシリーズ。ご覧のように非常に小さい

 CPUコアには低消費電力向けの「Bobcat」を採用し、GPUコアは「Radeon HD 6310」(Eシリーズ)または「Radeon HD 6250」(Cシリーズ)を採用する。自作市場にはAMD Eシリーズを採用したマザーボードが発売されており、IntelのAtom対抗として注目を集めている。

Fusion APUスペック表
APU E-350 E-240 C-50 C-30
開発コード Zacate Zacate Ontario Ontario
コア数 2 1 2 1
動作クロック 1.6GHz 1.5GHz 1GHz 1.2GHz
L2キャッシュ 512KB×2 512KB 512KB×2 512KB
内蔵グラフィックス機能 Radeon HD 6310 Radeon HD 6310 Radeon HD 6250 Radeon HD 6250
DirectX DirectX11
シェーダプロセッサ 80基
内蔵グラフィックス動作周波数 500MHz 500MHz 280MHz 280MHz
TDP 18W 18W 9W 9W

 AMD EシリーズもAtomと同じく単体販売されていないため、マザーボードに組み込まれた状態で購入することになる。価格は1万2000円前後からとAtomに比べるとやや割高。ただその分Atomよりグラフィック性能が高く、SATA3.0にも対応するため、省電力かつ性能にもこだわったPCを作りたい場合に最適だ。性能については「AMDのFusion APUは省電力PCの救世主となるか?」に詳しいので参照していただきたい。

「E-350」を搭載した「E35M1-M PRO」。Micro ATXフォームファクタの製品で、PCI Express(2.0) x16×1(x4動作)、PCI Express x1×1、PCI×2と拡張性が高いモデルとなっている

Mini-ITXフォームファクタを採用し、1万2000円台と比較的安価なASRock製「E350M1/USB3」

(次ページへ続く)

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