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DWHとBIのサーバーアプライアンスを市場投入

DWHとBIは第1弾!マイクロソフト、HPが対オラクル共同戦線

2011年03月11日 09時00分更新

文● 渡邉利和

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3月10日、マイクロソフトと日本ヒューレット・パッカード(HP)は「超大規模並列処理型DWHアプライアンス」と「BI機能特化型アプライアンス」を共同発表、同日提供開始した。ここには対オラクルという戦略も見え隠れする。

サーバーアプライアンスへの取り組み

 マイクロソフトとHPは、大規模DWH(データウェアハウス)専用アプライアンス製品「HP Enterprise Data Warehouse Appliance」と、BI機能特化型アプライアンス「HP Business Decision Appliance」を発表した。いずれも、HPのハードウェアとマイクロソフトのソフトウェアの組み合わせで構成されるアプライアンス製品となる。

HP Enterprise Data Warehouse Applianceの概要

BI機能特化型アプライアンス「HP Business Decision Appliance」

 HP Enterprise Data Warehouse Applianceは、超大規模並列処理(MPP:Massively Parallel Processing)技術を採用したSQL Serverの大規模DWH専用エディションである「Microsoft SQL Server 2008 R2 Parallel Data Warehouseエディション」と、HPの「HP Proliantサーバー」および「HP StorageWorks P2000 G3 MSAディスクアレイ」を組み合わせたもの。もともとは2008年にマイクロソフトが買収した米DATAllegroの技術も活用されているという。

 また、HP Business Decision Applianceは、「Microsoft SQL Server 2008 R2 Enterprise」および「Microsoft SharePoint 2010」を「HP ProLiantサーバー」と組み合わせたもの。いずれもアプライアンス専用の特別な仕様は盛り込んでおらず、既存の汎用コンポーネントの組み合わせでコストを抑えて実現した点が特長だという。

全体最適化が済んだアプライアンスのメリット

 まずHPとマイクロソフトの提携の意義について説明を行なったHPの取締役 専務執行役員 エンタープライズビジネス営業統括の古森 茂幹氏は、今回のアプライアンス製品投入の意味について「事前検証済みで用途に合わせた全体最適化が済んだ状態で提供されるため、ユーザーやSI事業者が検証やチューニングに時間を費やす必要がない」点を挙げた。また、今回のデータベースアプライアンスは両社が今後市場投入を予定している「サーバアプライアンス製品群」の第一弾だと位置づけた。

日本ヒューレット・パッカード 取締役 専務執行役員 エンタープライズビジネス営業統括 古森 茂幹氏

マイクロソフトとの協業の歴史

協業で提供するソリューション

 次いで、マイクロソフトの業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の梅田 成二氏は、HPとのアライアンスに基づく今後のサーバーアプライアンスの投入計画についてのロードマップを公表した。それによると、今回のBI/DWHアプライアンスに続き、2011年前半には「Messagingアプライアンス」としてExchange Serverを使ったアプライアンス、次いで2011年後半には「OLTPアプライアンス」と「Private Cloudアプライアンス」、さらに将来計画として「Public Cloudアプライアンス」としてWindows Azure Platform Applianceがリリースされる予定だという。

マイクロソフトの業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の梅田 成二氏

アプライアンスのロードマップ

 最後に、HPのエンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバーマーケティング統括本部 統括本部長の上原 宏氏が製品のメリットについて紹介した。

HPのエンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバーマーケティング統括本部 統括本部長の上原 宏氏

 同氏は今回のアプライアンスを「固定観念を覆す製品」だと位置づけた上で、DWHに関する従来の“固定観念”として、「特殊なハードウェアが必要」「構築は特殊なスキルが必要」「システム価格は高価」「利用には特殊技能が必要」といった点を挙げた上で、今回のアプライアンスが「既存のコンポーネントをそのまま使って安価に実現され、事前構成済みで提供される。ExcelベースのGUIを介して利用できるため、誰でも使える」と製品のメリットを強調した。

高い、面倒といったBIやDWHへの固定観念

(次ページ、市場にインパクトを与えるか)


 

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