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週刊 PC&周辺機器レビュー 第90回

超解像技術搭載の27型ワイド液晶 LCD-MF271XSBR

2011年02月10日 12時00分更新

文● 池田圭一

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超解像の効果を確認
風景写真には効果大

 さて、実際に各種映像を表示させて、LCD-MF271XSBRの超解像の効果を確かめてみた。細部のコントラストを無理に強調したようなオーバーシュートは、確かに抑制されている。また超解像の効果も明瞭だ。特にカラーの自然風景写真のような、細かい要素が混じりあった画像では効果が実感できる。

超解像の例。左上からオフ、2、6、10の状態。自然写真などでは、超解像レベル4~8あたりで精細さが増すように感じる

 一方、Windowsのデスクトップ画面などでも、超解像のレベルを控えめ(10段階のうち1~3)にしておけば、小さな文字が鮮明に映し出されるようになり、視認性が向上したのを感じた。

Windowsの文字表示やアイコンなどは、レベル1~2で視認性が十分に向上。レベル6以上だとオーバーシュートが目立ってくる

 同社ウェブサイトのLCD-MF271XSBR製品情報では、DVDビデオなどSD画質映像をフルHDサイズに拡大表示しても、高精細映像のように楽しめるとしている。今回の試用でも、アニメや映画、風景撮影ものなど各種DVDビデオを試してみた。その結果、超解像が最も効果的だったのが風景撮影もので、次に映画、最後がアニメといったところだ。静止画を表示させたときと同様、美解像チップ処理の特性なのか、細かなイメージがより鮮明になるようである。

 確かに超解像効果はあるのだが、しかし昔のアニメDVDをBDコンテンツ並に表示できるかと言えば、さすがにそれほどの効果はない。

 ディスプレー内蔵の超解像技術は、表示全体を精細に見せるため、使い方次第で応用が効く。現在、売れ筋の27型ワイドディスプレーの実売価格は、2万円台後半といったところ。その価格に数千円の追加でこの超解像が手に入ると思えば、LCD-MF271XSBRをはなかなか魅力的だ。

 なお、27型ワイドのLCD-MF271XSBRに加えて、23型ワイドの「LCD-MF232XSBR」(予想実売価格2万6800円)、21.5型ワイドの「LCD-MF223XSBR」(同2万2800円)も発売予定である。外観デザインに若干の違いはあるが、画面サイズを除いてほぼ同様の機能を持っているので、設置スペースに応じて選べるのがうれしい。

LCD-MF271XSBR の主な仕様
パネルサイズ 27型ワイド(ノングレアタイプ)
解像度 1920×1080ドット
視野角 左右17度、上下160度
最大輝度 330cd/m2
コントラスト 1000:1
応答速度 5ms
映像入力 HDMI、DVI-D、アナログRGB
サイズ 幅644×奥行き262×高さ422〜507mm
質量 約9.0kg(スタンド込み)
価格 オープンプライス(ioPLAZA価格 3万4800円)
■Amazon.co.jpで購入

筆者紹介─池田圭一

月刊アスキー、Super ASCIIの編集を経てフリーの編集・ライターに。パソコン・ネットワーク・デジタルカメラなど雑誌・Web媒体への企画提供・執筆を行なう一方、天文や生物など科学分野の取材記事も手がける。理科好き大人向け雑誌「RikaTan」編集委員。デジイチ散歩で空と月と猫を撮る日常。近著は「失敗の科学」(技術評論社)、「光る生き物」(技術評論社)、「これだけは知っておきたい生きるための科学常識」(東京書籍)、「科学実験キット&グッズ大研究」(東京書籍)、「やっぱり安心水道水」(水道産業新聞社)など。


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