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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第20回

Androidが好調もスマートフォンの出遅れが尾を引くLG

2011年02月02日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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携帯電話トップ5のうち
シェアを落としたのはNokiaとLG

 また、LGは2010年9月にCEOを入れ替えて、スマートフォン分野での建て直しを急いだ。12月末にはスマートフォンとタブレットなど中核事業への投資を増加し、1630億ウォンを充当する計画を発表している。それでも第4四半期は赤字、続く第1四半期の見通しも厳しいようで、携帯電話事業は引き続き赤字との予想を出している。気になる今後の戦略だが、収益性や差別化にフォーカスするとして、ハイエンドを狙うことを匂わせている。早速2月の「Mobile World Congress(MWC)」では3DのAndroid携帯電話が発表か?といううわさが流れている。

 同じく9月にCEOが交代したNokiaも、第4四半期の売り上げは前年同期と比べ微増したが、純利益は21%減少した。Nokiaは「MeeGo」を搭載した初のスマートフォンの発表が待たれるが、1月27日の業績発表の場でCEOのStephen Elop氏は、他のOSを採用する可能性を示唆したと伝わっている。同社は2月11日に自社イベントを催す計画で、その後のMWCと合わせて、何が出てくるかが注目だ。

 調査会社のStrategy Analyticsが発表した2010年第4四半期の携帯電話市場報告書では、上位5社(1位からNokia、Samsung、LG、Research In Motion、Apple)のうち、前年同期と比較してシェア値を下げたのはNokia(36.8%→31%)とLG(9.8%→7.7%)の2社だ。Samsungは微増(20%→20.2%)、RIMも3.1%から3.7%へと微増、Appleは2.5%から4.1%と伸ばした。

 パイが膨らんでいる「その他」(6位以下)のエリアには、Motorola、Sony Ericsson、HTCなどのAndroidメーカーが含まれる。だが、MotorolaもSony Ericssonも、第4四半期決算では課題を残している。一方IDCのデータでは、中国ZTEが4位になったと報告している。

 Androidが安定した市民権を得たところで、これからはAndroidを採用するメーカーの中で戦略の成否が明確になってくると思われる。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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