このところのモバイル機器の話題といえば、とにかくタブレット端末である。そんな百花繚乱状態のタブレット端末市場にNECビッグローブ(以下、ビッグローブ)が送り出したのが「Smartia」だ。メーカーや携帯電話事業者ではなく、ISPでありネットサービス企業でもあるビッグローブが提供する“ネットサービス一体型タブレット”とはどのようなものなのか、またその魅力はどこにあるのか、実際に試用した感想を含めて解説していく。
なお、本記事に先行して、Smartiaの企画からリリースまでを担当したビッグローブのスタッフにインタビューした記事も掲載しているので、そちらも併せて読んでほしい(関連記事)。
横持ちで使うSmartia
スタイラス操作も可能
まずは「Smartia」のハードウェア的な特徴を簡単に説明しよう。
Smartiaは、OSにAndroid 2.1を採用したタブレット端末だ。端末自体はNECが開発した「LifeTouch」だが、それにビッグローブの各種ウェブサービスを利用できるようなカスタマイズを施して「Smartia」として提供される。
Smartiaのディスプレーは7型ワイドで、画面解像度は800×480ドット。タブレット端末ということで、タッチパネルによる操作が主となる。
そのタッチパネルは、最近のスマートフォンのほとんどで採用されている静電容量方式ではなく、抵抗膜方式である。またマルチタッチには非対応だ。その代わりというわけではないが、スタイラスペンでの操作が可能で、実際にペンが付属するほか、収納するスペースも用意されている。
Smartiaの特徴のひとつに“横画面”で使う点が挙げられる。横持ちにしたとき、左手の親指の位置にカーソルキー(円形だが操作方向は上下左右の4方向)、戻るキー、メニューキー、ホームキーが配置されている。これらのキーが配置されている部分は、反対の額縁に比べて幅広く取られているため、本体は左右に非対称な形状となっている。
主な通信機能は無線LAN(IEEE802.11b/g)で、3G通信や有線LANなどは内蔵しない。そのためインターネットへの接続には無線LAN環境が必須となる。本体サイズは220×120mmで厚みは14mm。シャツやズボンのポケットにはちょっと入らないが、小型バッグならばなんなく収まる。重量は370gで、密度はあまり高くないのか、実際に手にしてみると見た目よりも軽く感じる。
そのほかにマイクやスピーカー、300万画素カメラなどを内蔵し、メディアタブレットとしてひととおりの機能を備えている。
次ページでは実際にSmartiaを操作して感じたことなどをまとめていこう。