ヤマハ試聴室で体験した、ネットワークオーディオ
NP-S2000が切り拓く、高音質再生の地平 (2/5)
2010年12月02日 11時00分更新
ヤマハ製品の音を決める試聴室を訪問
今回訪問した試聴室は、東京・泉岳寺にあるヤマハ・オフィスの地下に設けられている。大きさは15~6畳程度。少し広めのリビングといった風情だ。
こういった取材では、デモンストレーション用途の部屋(評論家やメディア対応、あるいは商談など)に通されることが多い。しかし今回は設計者が音決めに使う開発用の個室。ヤマハ社内では「ここの部屋で決めた音を最終とする」という取り決めになっているそうで、同社が目指す音の方向性がキッチリと感じ取れるに違いない。
説明では4~5年前に改装し、(ヤマハの本拠地がある)静岡県の浜松スタジオと類似した音響特性になるよう調整されたという。残響は0.4秒台と短く、部屋に入ると、録音スタジオに似たデットな(音の反響を抑えた)環境であると分かる。
部屋のエアボリューム(体積)は浜松スタジオの半分程度と小さいが、壁の構造や吸音対策などは同等。打ち消し合って出にくくなる100Hz以下の低域を除けば、ほぼ同じ特性が得られるという。なお、浜松スタジオでは工場用の60Hz/200V電源を100Vに減圧して使用しているが、東京の試聴室では東日本の家庭で標準的な50Hz/100V電源をクリーン化して利用するといった違いもある。
ユーザーの視点に立った場合でも、よっぽどのマニアでない限りは、数十畳の専用リスニングルームを構えられるユーザーは少ないだろう。そう考えれば、半分のエアボリュームとはいっても、こちらのほうが現実的なサイズである。
ここでは2chのHi-Fiシステムのほか、最大11.2chのサラウンドシステムのテストが可能。リファレンススピーカーとしては、自社製品(Soavoシリーズ)のほか、B&Wの802D/805Sが設置されていた。
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