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3Dビジネスフォーラム2010

今後の3D市場のビジネスを探るセミナー企画展

2010年11月16日 09時00分更新

文● 遠竹智寿子

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コンテンツの3D化の問題

 THE SECOND TIMES編集長の箱田氏は、「ビデオマーケティングがようやく浸透してきたが、3Dをその延長線上で使うやり方もあるのではないか」と話す。カプコンの豊永氏は、「AR(拡張現実)に興味がある、ARが浸透していけば、広告のあり方を一挙に変える力があるのではないか」と語った。

 そんな中、博報堂の千田氏は、「3Dコンテンツを考える際のヒントとなる発想法を述べたい」と、次の5つを挙げた。

  1. 「これを3D化すれば、どう儲かるのか」という必然性を、それを評価する指標と合わせて考慮すべき
  2. 2次元と3次元の狭間的なものを考える。今あるものを単純に3D化するという発想ではなく、2Dでもいいものは何だろうという考え方もありなのではないか
  3. 外に出るばかりが3Dではない。中に入るメディア、いわゆる「セカンドライフ」のようなバーチャルリアルティをもう一度考えてみる

  4. ムンバイの「スマートシティ構想」のような世界が展開されていく中で、デジタルサイネージなど社会のインフラの中で面白いことができないだろうか。
  5. CM制作の際に、よく商品と向き合えと言われるが、2Dそのものをよく見て、対局的な意味から3Dを考える

 ここでいう3Dならではの表現として千田氏は、レストランのショーウィンドウに置かれているような、蝋細工の料理見本で、フォークにスパゲティが巻かれて空中で止まっているといった例を挙げた。同氏は「ならではの世界観や感性が追求されるとよい」と説明する。

 なお、スマートシティ構想とは、電気、水、廃棄物、交通などの社会インフラを整備し、技術力を結集して省資源化を徹底した環境配慮型の未来都市構想を指す。

 コンテンツに関してのディスカッションでは以下のようなやり取りも見られた。

渡辺 「今後、例えば携帯端末用の裸眼3Dなどが普及し、デバイスごとにコンテンツが必要となるといった状況が考えられるのではないか。かつてゲートウェイビジネスがもてはやされたが、3Dコンテンツに関してはどうなる?」

富永 「確かに同じストリートファイターでもプレステ1、2、3とそれぞれ様式が別で、共通データは一つもない。その都度、数百、数千万円の費用が掛ってくる。例えば、各メーカーが保有するデータを共通化して共有し、それをベースにして、それぞれが尖ったものを作っていくという形が望ましい。リスクヘッジを皆で一緒に考えて、コンテンツを作るためのプラットフォームを立ち上げることができるといい」

千田 「確かに企業には、利用可能な3Dコンテンツがたくさんデータとして蓄積されている。ライセンスの問題も考えていかなければならない。コンテンツをライセンスも混みで全部売ってくれ、と持ちかけられた企業も出てきている。きっちりと考えていく必要がある」

町田 「2D映画を3D化する需要が出てきているが、変換ツールなどを使えば簡単に作業が済むわけではない。例えば1500人態勢で、一つずつが手作業となる。その資本を出しているのがどこかと言えば、インドや中国の企業だ。また、むしろ2Dから3Dは簡単で、二眼から多眼への作業が問題だと言える。これはリダクションの世界だ。  HDMI 1.4は立体映像をサポートしているが、デバイス側が(再生の)機能を持たないといけない。そうなると立体映像に関しては、ゲートウェイはむしろ要らないのではないか。(携帯電話など)今までのプラットフォームというよりもテレビ的な考え方で、コンテンツ視聴を考える必要があるのではないか」

 今回のディスカッションでは、今後、具体的な3D利用を考えていく際に、その方向性をどう捉えていくべきかといった考え方やヒントが提示された内容だった。

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