米メッセージシステムズは、サービスプロバイダや大企業でのメッセージ配信プラットフォーム「Momentum」を手掛けており、いよいよ日本に進出する。同社のビジネス開発&パートナー担当バイスプレジデントであるデイビット・ハーベイ氏と日本首席代表 易傑氏に話を聞いた。
イチから作り直したメールシステム
メッセージシステムは1997年にメリーランドで設立されたIT企業で、大容量のメール送受信やセキュリティ対策、マーケティングまでメッセージングをトータルで扱うソフトウェア製品「Momentum」を提供している。特にメール系のサービスプロバイダで高い実績を誇っており、2010年から日本でもビジネスを開始した。創業13年目にして初のアジア進出は「ミッションクリティカルな環境で利用する製品なので、市場の調査を慎重に行なった。あと開発指向の会社なので、製品の検証に時間をかけた」(ハーベイ氏)とのこと。
同社のMomentumは、機能ごとにソフトウェアが完全に分離されており、メールの送信、受信、ポリシー管理、セキュリティ対策などが異なるモジュラー構造となっている。こうしたMomentumを同社は、sendmailなどオープンソースが中心の第1世代、Exchangeなどの商用ソフトウェアが中心の第2世代に引き続く、第3世代のメッセージプラットフォームと位置づけている。「第1世代は100万通/1時間、第2世代でも200~300万通/1時間程度のキャパシティ(送信能力)だろう。我々は、800万通/1時間程度さばける。そもそも、DNSのスタックというレベルから作り直しているので、パフォーマンス自体がまったく異なる」(ハーベイ氏)。
また、メールの利用に重要なスパムメールやアンチウイルス対策に関しても、あらかじめ機能として盛り込まれている。シマンテックのBrightmailとの連携によるサービスプロバイダ向けソリューションも提供されている。
メールサーバーの台数を減らせる
こうした高いパフォーマンスとキャパシティは、米国で多くのサービスプロバイダを魅了しているようだ。「Facebookは、120台あったメールサーバーを10台にまで減らした。多くの企業はパフォーマンスに課題を抱えており、この部分で弊社の製品はコスト削減に寄与できる」(ハーベイ氏)という。
今まで価格競争をしてこなかったということで、ソフトウェアライセンスの価格は約1500万円からと高価だが、「日本でもローカルパートナーを拡充して、メール系のプロバイダやホスティング事業者を開拓していきたいです。特にオープンソース系をお使いの方にリプレイスしてもらって、サービスをコストセンターからプロフィットセンターに変えていただきたいと思います」(易氏)という。