iPhoneでジオタグを取り除く
iPhoneで撮影した写真には、もれなくExifデータが記録される。ユーザーが唯一変更できるのは、「位置情報サービス」の設定を変えジオタグを記録する/しないを選択することのみで、絞りや露出といった情報は必ず記録される。
写真に記録されたジオタグは、Macと同期してもメールに添付して送信しても失われない。メールに添付するときは、オリジナルのままか大中小でリサイズするか確認されるが、どの方法で送信してもジオタグは消去されない。これが原因で個人情報が漏れる可能性もあるため、写真を撮影する前には「位置情報サービス」のオン/オフを確認しておいたほうがいい。
撮影した写真から位置情報を取り除きたい、Exifデータ全体を削除したいという場合には、一工夫が必要だ。Macで作業すればさほどの手間はかからない(新規作成の画像ファイルにコピー&ペーストすればいい)が、ファイルという概念が希薄なiOSでは、Macのようなわけにはいかない。
その一工夫とは、MMSの応用だ。3G回線が有効なときに限るが、対象の写真をMMS経由で自分宛に送信するだけでいい。その画像をカメラロールに保存しても、「撮影地」には現われないことでジオタグの消去を確認できるはずだ。なお、写真が1024×764ドットに縮小される点には注意しておこう。
iPhoneで撮影した写真にジオタグを加える
撮影時点で「位置情報サービス」をオフにしていた場合は、写真にジオタグは付加されない。日時や撮影した機器(iPhone)の情報はExifに記録されるが、位置情報は空白のまま残され、当然「撮影地」にも表示されない。このような場合には、手作業でジオタグを加えることを検討しよう。
その最も手軽な方法は、「iPhoto '09」の利用だ。iPhotoライブラリーに取り込んだ後、対象の写真を選択して[Command]+[I]キーで情報ウィンドウを表示、「写真の撮影地」をクリックし、Google マップを操作するか地名や施設名などの情報で検索するかして撮影地点を特定すれば、写真にジオタグを後付けできる。iPhoneに再転送することも簡単だ。なお、写真を書き出すときには、「場所情報」をチェックすることを忘れずに。
iPhoto以外のソフトで写真を管理している場合には、「PhotoInfoEditor」がお勧めだ。こちらもGoogle マップで表示した位置をジオタグとして書き込めるが、「iPhoto '09」のように地名や施設名で検索する機能がないため、同じ位置で撮影したジオタグ付きの写真を読み込んでおき、緯度(Latitude)と経度(Longitude)をコピー&ペーストしてもいいだろう。
以上、駆け足で"iPhoneで撮影したジオタグ付き写真"と付き合う方法を紹介してきたが、それもマメな撮影あってこそ。iOS 4で大きくなったシャッター音の対策を講じつつ(下部のスピーカーを指でふさぐだけでも効果的)、旅行などのイベントにiPhoneを連れ出そう。
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
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