ホワイトを基調にした、丸くかわいらしい外観
それでは製品の印象を決める外観から見てみよう。
WM3400RNは、本体のサイズが幅64×奥行き35×高さ94mmと小型で丸みをおびたデザインである。右側面にはリセットスイッチとWLANのON/OFFスイッチが配置され、左側面には有線LANのポート1つと電源アダプターの接続口がある。縦横同サイズで厚さ22mmのWM3300Rと比べるとしっかり厚みのあるボディだが、それが逆に”コロン”としたかわいらしい印象を与える。
ボディカラーはどちらもAtermシリーズの定番であるホワイト。表面にアルミ風パネルを設けることで引き締まった印象を与えている。
表面パネルの左側に配置されている半円のボタンは無線LANの自動設定で操作する「らくらくスタートボタン」である。半円ボタンの周囲にWiMAXの電波状態や無線LAN、電源の状態を表示するLEDが配置され、操作と表示を行なう部分がコンパクトにまとめられている。
インテリア感覚で部屋のどこにおいても調和するデザインに仕上がっていることもAtermシリーズの良い面を継承している。
屋内向けにルーター機能を強化、ホームWiMAXという提案
WM3400RNのコンセプトは「ホームWiMAXルーター」であると書いた。
そのため、電源アダプターが添付されている。WM3300Rのように外出先で使うことは想定せず、据え置き設置が基本となるので、電池ボックスは内蔵していない。搭載する機能もホームユースを意識しているだけあって、Atermシリーズの有線ブロードバンドルーターとほぼ同等である。
PC、ゲーム機、プリンタなど多彩な無線LAN機器を「らくらく無線スタート」ボタンで自動設定できる。難しい専門用語を読み解いて一つ一つ項目を設定せずに済む。
また、マルチSSIDに対応していてPCとゲーム機で無線LANのネットワークを分けられる。パソコンなしで、ルーターを動かしているファームウェアをバージョンアップできるなど、既存のAtermシリーズより進化した部分もある。
WR8700Nに搭載されている機能との違いを表にまとめてみた。
Aterm WM3400RN/WM3300R 搭載機能の比較 | |||
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機種名 | WM3400RN 2010年8月発売 |
WM3300R 2009年12月発売 |
(参考)WR8700N 2010年2月発売 |
アクセスポイントモード | - | - | ○ |
DMZホスティング 機能 |
○ | - | ○ |
静的ルーティング | ○ | - | ○ |
有線LANポート | 100BASE-TX (1ポート) |
- | 1000BASE-T (4ポート) |
無線LANポート | IEEE802.11b/g/n(2.4GHz) | IEEE802.11b/g(2.4GHz) | IEEE802.11a/n(5GHz) IEEE802.11b/g/n(2.4GHz) |
ハイパー ロングレンジ |
- | - | ○ |
ルーター機能の唯一の違いは、WM3400RNを無線LAN子機として使うことは想定されていないらしく「アクセスポイントモード」が実装されていないことである。
光回線より手軽に導入、速度もADSL並み
WM3400RNのセールスポイントのひとつに、回線の引き込み工事が不要という点がある。それでいて、規格上は下り最大40Mbps、上り最大10MbpsというADSLに匹敵する速度が実現できるのだから、非常に手軽にブロードバンド回線を手に入れられる製品と言える。
回線工事が要らないという点は特に便利だ。わざわざスケジュールを調整して、回線工事のために自宅で待機する煩雑さを感じた読者もいるだろう。無事開通したあとも、モデムの設置場所を考えてルータやハブといった機器の設置場所を検討したり、契約したISPの設定を変えたりと手間がかかる。
WM3400RNなら、オンラインサインアップで購入したその日にWiMAXを活用できるし、WANもLANもケーブル配線なしで済む。とにかくスピーディーにインターネットを利用できる環境が揃ってしまうのだ。
また、女性にとってもWiMAXは嬉しいサービスのようだ。妻に聞くと、WAN側の「回線工事が不要」というのは大変にポイントが高い要素だという。女性は見ず知らずの他人をプライベートな空間(自宅など)に入れることを避けたいと思う気持ちがあり、かなり強いストレスを感じるらしい。
男の私でも他人をプライベートなエリアに入れるのは確かに緊張する。