Androidの仕様を確認する
続いて、Androidの仕様をiPhoneと比較しながら確認します。Androidは携帯電話そのものではなく、グーグルが中心になって開発しているモバイル用OSの名称です。携帯電話に限らず、カーナビや家電、ノートパソコンの一部にも搭載されています。本連載では携帯電話に絞って解説し、「Android」または「Android端末」と表記した場合には「Androidを採用した携帯電話端末」を指します。
■日本でのAndroid端末
Android端末は海外、特に北米やヨーロッパでは台湾HTCや米モトローラなどの端末メーカーがさまざまな機種を発売していますが、日本で入手できる機種はまだそれほど多くありません。2010年7月現在、国内で発売されているAndroid端末は以下のとおりです。
NTTドコモ | au | ソフトバンク | ||
---|---|---|---|---|
HT-03A | SO-01B(Xperia) | SHI01(IS01) | X06HT(HTC Desire) | |
HTC | ソニー・エリクソン | シャープ | HTC | |
サイズ | 113×56×14.0mm | 119×63×13.1mm | 149×83×17.9mm | 119×60×11.9mm |
重さ | 123g | 139g | 227g | 135g |
容量 | 512MB | 1GB | 3.4GB | 512MB |
カラー | ホワイト/ブラック | ホワイト/ブラック | ブラック/ライトブルー | ブラウン |
画面サイズ | 3.2インチ | 4.0インチ | 5.0インチ | 3.7インチ |
画面解像度 | 480×320px | 854×480px | 960×480px | 800×480px |
カメラ | 3.2メガピクセル | 8.1メガピクセル | 5.3メガピクセル | 5メガピクセル |
搭載OS |
Android 1.5 ※Android 1.6にアップグレード可能 |
Android 1.6 | Android 1.6 | Android 2.1 |
■Androidのバージョン
Android OSは現在も活発に開発が続けられており、執筆時点の最新バージョンは「2.2」ですが、国内で発売されている端末ではHTC Desireの「2.1」が最新です。Desireよりもあとに発売された「IS01」は「1.6」を搭載するなど、常に新しいバージョンが採用されるとは限りません。
また、すべての端末が最新のAndroid OSにバージョンアップできるとは限らず、端末メーカーの意向によってはバージョンアップできないケースもあります。
■Androidの標準ブラウザーは「ブラウザ」
Androidに標準搭載されているブラウザーは、その名も「ブラウザ」というソフトウェアで、特に固有の名称は付いていません。実際にはGoogleが開発した「Chrome」に非常に近い性能を持つことから、「Chrome Lite」などと呼ばれることもあります。
名称はともかく、レンダリングエンジンはSafariと同じ「WebKit」を採用しているためHTML5やCSS3の先行実装が進んでおり、JavaScriptが高速に動作する高機能なWebブラウザーです。
■プラグインには非対応、Flash Playerは搭載
Androidの「ブラウザ」もiPhoneのSafariと同様、プラグインには非対応ですが、Android 2.2以降はFlash Playerが標準搭載され、Flashコンテンツを再生できるようになりました。しかも、一般的な携帯電話に搭載されている「Flash Lite」ではなく、PC版と同じフル機能が使える「Flash Player 10.1」なので、PC上向けのFlashコンテンツがそのまま再生できます(ただし、携帯電話回線で利用されること、画面の大きさなどへの配慮は必要です)。
また、ブラウザの起動中に本体の[メニュー]ボタンを押して[その他][設定]を開くと、文字サイズの変更やエンコードが設定できます。iPhoneは文字化けを起こすとユーザー側では対応できませんが、Androidでは設定を変更することで解消できます。
ファイルのアップロードはiPhoneと同様、対応していませんが、ファイルのダウンロードはできます。各ソフトに対応したデータはそのソフトに引き継がれ、「.zip」ファイルなどのいずれのソフトでも開けないファイルは内蔵メモリに保存されます。こうしたダウンロードファイルは、PCに接続した状態で操作したり、ファイル管理ソフトを利用して管理したりできます。
ブラウザーのウィンドウの大きさが変更できない点はiPhoneと同様です。