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林 信行氏が語る ATOK 2010の魅力

2010年07月29日 12時00分更新

文● MacPeople編集部/写真●今井宏昭

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日本語入力ソフトの定番といえば、(株)ジャストシステムの「ATOK」だ。発売されたばかりの新バージョン「ATOK 2010 for Mac」について、ITジャーナリストの林 信行氏に話を聞いた。

「ATOK 2010」は丸いタイヤに生まれ変わった

「ATOK 2010」の動作速度はことえりと同等のレベル。ストレスフリーで使えますね

「ATOK 2010」の動作速度はことえりと同等のレベル。ストレスフリーで使えますね

 

 最初に感じたのは動作速度の向上です。僕がATOKのように基本機能の成熟したソフトに求めるのは、機能よりも質。iPhoneやiPadの影響でMacを触る機会が少なくなっていますが、原稿執筆など長文を打つ作業は当然Macです。このとき日本語入力ソフトの動作が遅いと、それだけで不快になりますよね。今回の新バージョンでは、ユーザーが変換処理を意識しないレベルの動作速度に達したと思います。


 

 これまでの日本語入力ソフトは、自転車のタイヤに例えると八角形。がんばって走ろうとすれば前には進むけれど、丸いタイヤの快適さを知ってしまうともう元には戻れない。たとえ八角形タイヤの自転車に高性能のLEDライトやスピードメーターといった機能が付いても、その考えは変わらない。つまりATOK 2010は、丸いタイヤに生まれ変わったというところでしょうか。

 

 また電子辞典ウィンドウなどをCocoa化して、主張しすぎない落ち着いたデザインになったのも評価できます。これにより、ソフト全体の質が高まったという印象を持ちました。


Cocoaフレームワークを使って電子辞典/推測候補ウィンドウを完全リメイク。文字色やタブのグラデーションなどを適用して表現力を高めたほか、表示速度の向上にもつながっている

Cocoaフレームワークを使って電子辞典/推測候補ウィンドウを完全リメイク。文字色やタブのグラデーションなどを適用して表現力を高めたほか、表示速度の向上にもつながっている


「連想変換」でアイデアを導き出す

 

 新機能ではありませんが、原稿が行き詰まったときに「連想変換」から刺激をもらうことが多いですね。特定キーワードの連想変換候補とその意味を眺めていると、新しいアイデアが浮かぶことがあるんですよ。具体的には、ひとつの言葉を多角的に見つめることで、新しい話の展開を得ることができる。ちょっとした気分転換や発想の飛躍に使える、僕にとっては素晴らしい秘密兵器ですね。


「連想変換」は、入力した文字の意味に近い言葉を変換候補として一覧表示する機能。文字の入力中に「control」+「A」キーで呼び出せる。例えば、文章の表現をより軟らかく、またはより硬くしたいのに言い換えが思い浮かばない──といった場合にも使える

「連想変換」は、入力した文字の意味に近い言葉を変換候補として一覧表示する機能。文字の入力中に「control」+「A」キーで呼び出せる。例えば、文章の表現をより軟らかく、またはより硬くしたいのに言い換えが思い浮かばない──といった場合にも使える


(次ページに続く)

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