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サービス開始後半年経ったIIJ GIOの最新動向

IIJ GIOのお得意さんはオンラインゲーム会社だった!

2010年04月28日 08時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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4月27日、インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は、開始から半年を経たクラウドサービス「IIJ GIO」のアップデートを行なうプレス向け説明会を行なった。サービス開始後のアップデートやユーザー事例のほか、デモなども披露された。

1000とおりのメニューでSIの商材に

 プレス向け説明会の冒頭で、IIJ 執行役員 マーケティング本部長 松本光吉氏が「今でいうところのIaaSやクラウドにあたるインターネットのビジネス基盤を提供するサービスを、IBPSとして2000年当初から展開してきた。現状で400顧客、2万を超えるノードを抱えており、昨年基盤をリニューアルしたのがIIJ GIOになる」と、長年クラウドサービスに傾倒してきたIIJの歴史を振り返ってきた。この半年で「クラウドに関する理解も進んできたし、パブリッククラウドとプライベートクラウドの選択も課題となってきた」(松本氏)とのこと。

IIJ 執行役員 マーケティング本部長 松本光吉氏

 IIJ GIOは昨年の発表以来、HaaS/IaaS、PaaS、SaaSまで含めたレイヤでサービスを提供してきた。

 まずHaaS/IaaSにあたるコンポーネントサービスでは、仮想/専有サーバー、ネットワーク、ストレージ、OS・モニタリング、アプリケーションまで含め、1000とおり以上の組み合わせが可能となっている。「個別のシステムインテグレーションをほぼ不要になるメニュー化」(松本氏)を実現し、アプリケーションや開発環境を組み合わせたレディメイド型から、各種リソースをオールインワン化したオーダーメイドまで、幅広く対応。ネットワークアドレス的にユーザーのみ利用可能なプライベートクラウドをIIJ GIO上に展開し、サービスとして利用できる点も大きな特徴となっている。

パブリックもプライベートも併用できるクラウドサービスHaaSにあたるコンポーネントサービスを軸に、PaaSやIaaSも展開する

 システムインテグレーションを担当してきたIIJテクノロジーとIIJ本体が先頃合併したこともあり、IIJ自体でさまざまなシステム構築が実現できるようになった。

 また、資材の大規模調達やオープンソースの採用、自動化の推進によりエンタープライズレベルのクラウド環境を低価格に利用できる。オープンソースと商用製品を適材適所に組み合わせているのも、IIJ GIOの大きな特徴といえるだろう。

 その他、PaaSにあたるホスティングパッケージやMicrosoft Office、開発環境などを提供するプラットフォームサービスのほか、SaaSにあたるアプリケーションサービスもパートナーとの協業で拡張中だ。最近はサイボウズの「ガルーンSaaS」やメールサービス「iiMail」、CRMアプリケーション「INVITO mobile」などのアプリケーションもIIJ GIO上に追加している。

 また、2009年末に発表された「IIJ GIO パートナープログラム」についても説明された。これは文字通りIIJ GIOをITインフラとしてSaaS展開したり、インテグレーションを行なったり、技術や製品を提供するパートナーなどに対するビジネス支援プログラム。パートナーポータルをデモンストレーションし、見積もりシミュレーションやレポートなどの使い方を紹介した。

3つの先進事例を紹介

 また、IIJ マーケティング本部 GIOマーケティング部副部長 小川晋平氏により、IIJ GIOを採用したユーザー事例もいくつか紹介された。

IIJ マーケティング本部 GIOマーケティング部副部長 小川晋平氏

 まず野村証券は、証券取引基幹システムの障害時に約定データの参照や変更を行なうためのシステムをIIJ GIOで構築した。ポイントはインターネットに接続されないプライベートアドレスでシステム構築を実現したこと。つまり、IIJ側で持つ設備でプライベートクラウドを構築したという点になる。

 次に紹介されたアスマルは、個人向けのインターネット通販サイトをIIJ GIOで構築した。タイムセールなどのアクセス集中やリリース後のシステムの構成変更などにも柔軟に対応できるインフラということでIIJ GIOを選択した。

 さらにclubDAM.comを展開する第一興商は、SaaS型のCRMツール「INVITO mobile」を採用し、会員向けのマーケティングツールとして活用している。SaaSアプリケーションの構築費用を約30%削減できたという。

 名前は出なかったが、現状IIJ GIOのユーザーとして多いのは、実はオンラインゲーム会社だという。オンラインゲームの場合、サービス開始当初に無料会員をつのり、一定期間後に課金を開始するというパターンがよく用いられる。しかし、「課金を開始すると会員は1/10くらいに減るようです。そのため、ピークに合わせた設備投資を行なうと、コスト面で無駄が発生します」(小川氏)とのこと。その点、IIJ GIOの場合、会員が縮小した場合は、それに合わせてITリソースの規模も小さくすれば、その分支払いも減る。極端な話、会員が少なくなり、撤退を図る際も、コストをかけずに閉鎖できるという。

 その他、テクノロジーアップデートとして、以前紹介したモジュール型エコデータセンター(【関連記事】クラウドを冷やせ!IIJコンテナ型データセンターへ潜入 )やPCI DSS取得によるセキュリティ強化などの取り組みも紹介された。

 松本氏は半年間を振り返り、「個別システムインテグレーションがしやすいという意味で、IBPSをある意味細々展開していたが、IIJ GIOをクラウドとして大々的に発表し、価格もかなりがんばったので、桁違いに問い合わせが増えた。パートナー企業のセミナーも毎回満員になる」とサービスの手応えについて語った。

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