NVIDIAチップセットの歴史 その4
インテル向けNVIDIAチップセットの現状と今後
2010年04月26日 12時00分更新
NVIDIA編の最後は、nForce 500以降のインテル向けロードマップを解説しよう。
2006年のnForce 600iシリーズはマイナーチェンジ
2006年11月に、「nForce 680i SLI」「nForce 650i SLI」「nForce 650i Ultra」の3製品がリリースされた。これはnForce 500シリーズに使われていた「Crush19」を、「Crush55」に入れ替えた製品となる(関連記事)。Crush55は1333MHz FSBの公式サポートと、DDR2-800の対応がCrush19との違いとなる。
もっとも、Crush19でも「nForce 590 SLI Intel Edition」とか「nForce 570 SLI Intel Edition」はすでに1333MHz FSBに対応していたから、潜在的に1333MHz FSBの対応は可能であり、これを公式にサポートしたという形だろう。
新規追加の仕様は、DDR2-800への対応である。ハイエンドとなるnForce 680i SLIでは、さらに「EPP」(Enhanced Performance Profiles)メモリーに対応し、DDR2-1200でも実際に動作するといったことがアピールされた。だが、公式にスペックシートにDDR2-1200の文字が躍るのは、次のnForce 700シリーズの世代からのこと。nForce 600世代では、公式にはあくまでDDR2-800の対応のみとなっていた。
ちなみにnForce 680i SLIとnForce 650i SLIの違いは、1333MHz FSBの対応が省かれたほか、SLIがx8構成となる(これはサウスブリッジにMCP51を使ったため)など、低価格化にともなった仕様変更となる。さらにnForce 650i Ultraでは、SLIのサポートそのものがない。
また2007年3月には、nForce 680i SLIから若干機能を省いた「nForce 680i LT SLI」も投入された。ほとんどの機能は変わらないが、EPPの対応が省かれたことと(EPP対応ながら最高でもDDR2-800に制限されているので、対応していないも同然)、「Link Boost」というPCI Expressレーンのオーバークロック動作を省いたのが違いである。もっとも、EPPはともかくLink Boostに関しては、対応したグラフィックスカードがほとんど登場しなかったようだ。
インテル向けでは初のGPU内蔵型
GeForce 7000+nForce 600シリーズ
これに続き、2007年9月にはついにインテル向けのグラフィックス統合チップセットが登場する。それが「GeForce 7000+nForce 600」シリーズである。GeForce 7000+nForce 600という名前になってはいるものの、実際にはワンチップ構成なのはAMD向けの「GeForce 7025/7050+nForce 630a」と一緒である。搭載するGPUコアがNV44をベースにしているという点も同ようだ(関連記事)。
ただし、登場時期がやや後になった分GPUコアの動作周波数は上がっている。
GeForce 7150+nForce 630i | 630MHz |
---|---|
GeForce 7100+nForce 630i | 600MHz |
GeForce 7050+nForce 630i | 500MHz |
GeForce 7050+nForce 610i |
ちなみにGeForce 7150とGeForce 7100のみ、HDCPに対応したHDMI出力機能を内蔵している。では「GeForce 7050は?」というと、GeForce 7050+nForce 630iの方はHDCP対応のDVI出力を搭載しているが、GeForce 7050+nForce 610iの方は省かれている。
GeForce 7050+nForce 610iはほかにも、有線LAN機能がGigabit Ethernetの代わりに10/100BASE-Tのみとか、RAID構成が0/1のみ(ほかは0/1/5/0+1が可能)、外部グラフィックス用インターフェースがPCI Express(PCIe) x8レーン(ほかはx16レーン)のみなど、いろいろグレードダウンがされているのも特徴だ。
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