NVIDIAチップセットの歴史 その3
nForce 700派生品が主流のAMD向けNVIDIAチップセット
2010年04月19日 12時00分更新
ウルトラハイエンドの「Quad FX」に対応すべく、
サーバー向けチップセットを流用
NVIDIAチップセット編の第3回は、nForce 500以降のAMD向けチップセットロードマップに関してまとめてみたいと思う。
まず、2006年12月に「nForce 680a SLI」がリリースされるが、これは別格というか、特別扱いの製品である。連載の44回で軽く触れたが、AMDが同年に「Quad FX」プラットフォームを発表し、これに合わせて言わばでっち上げた製品が、このnForce 680a SLIである。
中身はというと、連載の45回でOpteron向け製品として紹介した「nForce Professional 2200 MCP+2050 IOC」そのものである。ただし、nForce Professional 2200/2050の場合は図1のような構成で使うのが前提だったが、nForce 680a SLIは図2のような無茶な構成となっている。
これは、1プロセッサー構成でも両方のチップセットが動作するように、という配慮のためであるが、逆に2プロセッサー構成にすると、片方のプロセッサーにI/O負荷が集中するといったデメリットもあった。
もっとも、SLIの構成を考えた場合、2つのPCI Express(PCIe) x16レーンが別々のCPUにつながるという構造では、GPU同士の通信の間にCPU間通信が入って遅延が生じる。しかし、この構成ならばGPU間に入るCPUがひとつで済むので、パフォーマンスの観点でもむしろ好ましいといえるかもしれない。
だがこの構成は、CPUからHyperTransport Linkが3本出るAthlon 64 FXだからこそ許される構成で、通常のAthlon 64系列では真似できない。また、この構造を無理やりATXマザーボードに押し込んだために無茶な構成になったという話は、連載44回でも述べたとおりだ。結局、主要なマザーボードベンダーはとりあえずハイエンド向けに1製品ずつラインナップはしたものの、そこで打ち止めとなってしまう。
HDMI対応のマイナーチェンジ GeForce 7050PV/7025
これとは別に、2007年に投入されたのが「GeForce 7050PV」「GeForce 7025」である。前回で触れた「GeForce 6150SE+nForce430」と同様に、名称だけなら2チップ構成のように見えるが、実体は1チップの構成である。
さてこのGeForce 7050PV/7025。中身は「nForce 6150LE/SE」シリーズのマイナーチェンジである。統合されるGPUは、NV44(GeForce 6200 TC)コアをベースにパイプラインを半減させたもので、動作周波数も425MHzだからGeForce 6150LEと差はない。
「では違いは?」というと、HDMI出力の内蔵とHDCPへの対応、PCIeレーンの増加(2×1→3×1)、パラレルATAを1チャンネルに減らしたといったあたり。3D描画性能に違いはない。細かいところでは、GeForce 7050PV/7025ではSocket AM2のみがサポートとされ、Socket 939はサポートされなくなった。これは技術的にどうこうという話ではなく、単にAMDのCPU製品ラインナップが切り替わったから、それにあわせただけだろう。
ちなみに7050PVと7025の違いは、動画再生支援機能「NVIDIA PureVideo」のサポートと、テレビエンコーダーやHDMI対応の有無というあたりになる。また動画のスケーリングが、7050PVは「5x4スケーリング」をサポートするが、7025は「2x2スケーリング」だけとされている。
「GeForce 7000シリーズはこの2製品で終りか」と思ったら、2年近く後になって、両者の中間にあたる「GeForce 7050+nForce 630a」なる製品も登場した。NVIDIAは公式にはアナウンスしていないが、GeForce 7025のHDMIを有効にさせたという製品のようだ。
2007年当時はまだ、HDMIは製品が出始めたばかりの規格だったが、2009年にもなると「HDMI未サポート」では製品スペック上ちょっと見劣りするため、これをカバーしたものと思われる(デジタル入力がHDMIのみ、なんて液晶ディスプレーも登場している以上、仕方がないだろう)。

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