NVIDIAチップセットの歴史 その2
インテル向けやGPU内蔵に進出したNVIDIAチップセット
2010年04月12日 12時00分更新
2005年、nForce4でインテル市場にも参入
このnForce4 SLI x16をリリースする少し前の2005年4月、NVIDIAは念願だったインテルのプロセッサーバスライセンスを取得。Pentium 4向けに「nForce4 SLI Intel Edition」を早速投入する。
NVIDIAの場合、SLIを動作させるための条件を厳格に定めており、インテルチップセットでのSLI動作を頑として認めなかった。一方のインテルはというと、NVIDIA製品は自社のハイエンドチップセットとモロに競合するため、NVIDIAチップセットのインテルCPU対応は決して喜ばしい話ではなかった。しかし、SLIというソリューションはハイエンドゲーマー向けに非常に大きな魅力があり、これがAMD向けのみに販売されているという状況は、対AMDの販売戦略上望ましいものではない。結局この根比べで、NVIDIAが勝利した。
ちなみに、その構造は図2に示すように、メモリーコントローラーとPCIeをSPP側に、そのほかの機能をMCPに分離した2チップ構成である。「それならMCPからPCIeも出せば、SLI x16が構成できるよな」というのは誰でも思いつく。実際、2005年8月には図3の構成を取る「nForce4 SLI x16 Intel Edition」がリリースされる。
実際のところ、nForce SLI Intel Editionに使われた「MCP04」は、言わば「CrushK8-04」からPCIe x16レーンを無効にしたような構成だ。これを有効にしたのが、nForce4 SLI x16 Intel Editionというわけだ。
その後のインテル向けの製品ラインナップをまとめておく。nForce4 SLI x16 Intel Editionに続いて、「nForce4 SLI XE Intel Edition」と、「nForce4 Ultra Intel Edition」がリリースされる。
nForce4 SLI XE Intel Editionは、サウスブリッジを「MCP51」に変更したものである。MCP51ではUSBポートが8つに減ったり、ActiveArmorが廃止されたりしたほか、オーディオ機能が「7.1ch AC'97」から「Intel HDA」(High Definition Audio)に変わっている。
また、SPPの側は基本的に同じだが、Pentium DなどデュアルコアCPUにも対応した。厳密に言えば、nForce4 SLI Intel EditionでもほとんどのデュアルコアCPUは動くのだが、なぜか「Pentium D 820」だけが動作しないという問題があったためだ。
この問題はnForce4 SLI x16 Intel Editionで修正されたのだが、これを公式に「対応した」と表明したのがnForce4 SLI XE Intel Edition、というわけだ。さらに、これからSLI対応を外したのが、nForce4 Ultra Intel Editionとなる。
これに続き、サウスブリッジを変更した製品がそれぞれ「nForce 590 SLI Intel Edition」および「nForce 570 SLI Intel Edition」として、それぞれ2006年6月にリリースされる。スペック上は1333MHz FSBへの対応が追加されているが、これはCrush19にその対応を公式に追加しただけで、チップそのものは同じである。
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