電子ブックビューアの話題が続く毎日だが、米アマゾンの「Kindle2」は確実にひとつのスタンダードといえる存在だ。
このKindle2の対抗馬として昨年登場し、注目を集めたのが米書店チェーンのBarns & Noble(バーンズ&ノーブル)が販売する電子ブックビューア「nook」だ。
259ドル(約2万4000円)という同じ価格、ほぼ同じ6インチのE Ink(電子ペーパー)スクリーンを持つnook。Kindleのように日本から通販で購入することはできないものの、バーンズ&ノーブル店頭で販売されていた実機に触る機会があった。使い心地や、自炊派のための文書ビューアとしての使い方を試してみた。
サービスや通信機能は基本的に米国ユーザー限定
nookはEPUB、PDB、PDF形式といったドキュメントファイルと、JPEG、GIF、PNG、BMPなどの画像ファイル、MP3の音声ファイルの再生に対応したビューアだ。2GBの本体メモリーを備え、Sprintの3G通信機能とWi-Fiを搭載している。
Kindle2との違いは、Kindleの電子書籍フォーマットが基本mobiであるのに対して、nookはEPUBであること。このため、Google Booksの公共利用可能な書籍など、バーンズ&ノーブルのeブックストア以外でも電子書籍を手に入れる方法が広い。
またモノクロのメインスクリーンの下に、カラーのタッチスクリーンを備えており、左右のボタンで操作するページ送り(進む/戻る)以外の操作はすべてここで行う。購入した電子書籍の表紙は、このタッチスクリーン上でも確認できる。
nookは、初期のKindleと同様に、米国外での販売を行っていないため、nookで電子書籍を購入できるのは基本的に米国内に住むユーザーのみだ。米国のバーンズ&ノーブルに足を運べば、店頭で本体をすぐ手に入れられるが、使用するためには、PCでバーンズ&ノーブルのウェブサイトにアクセスし、事前に会員登録しなければならない。
会員登録だけなら、日本のユーザーでも問題ないが、登録するクレジットカードがアメリカ国内またはカナダの住所になっていないと、ブックストアで決済できない。そのことが分かるのは、eブックストアに進んでBuyボタンをクリックしてからではあるが……。