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妥協しない高品質電源選び 第3回

妥協しない高品質電源選び【Abee編】

2010年04月07日 18時00分更新

文● 宇野 貴教

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Abeeのオススメ電源は?

さて、国産メーカーであるAbeeならではの電源へのこだわりが理解できたところで、同社を代表する製品を詳しく見ていこう。

12Vラインをユーザーがカスタマイズ可能
「Supremer AS-1200B-SR」

実売価格:4万円前後

 「Supremer AS-1200B-SR」は、Abeeの電源ユニットラインナップの中でも最上位に位置するハイエンドモデルで、定格出力1200W、瞬間最大出力1350Wの超高出力を誇るモンスター電源だ。出力以外にもユニークな機能を多数備えており、完成度の高い製品となっている。

 瞬間最大出力の1350Wは起動時の約60秒。ファンやHDDのモーター起動などで一気に大負荷がかかる電源投入時に、起動失敗する心配のない出力を確保する。変換効率性能は80PLUS BRONZE認証で、負荷20~100%の全ゾーンで変換効率82%以上をマークしている。

プラグイン方式のため付属品は多め。ケーブルは種類ごとにコネクタ部分が色分けされており識別しやすい

差し込み口を間違わないように、コネクターのすぐ近くに差し込み口を指示するタグが付いている。日本語で書かれているのがうれしい

 重要ポイントとなる12Vラインの出力は、24A(瞬間最大30A)を6ライン用意する。ユニークなのは、本体の「ターボスイッチ」で12V6ラインの「SPLIT」モードと、12V1ラインの「COMBINE」モードを切り替えられることだ。複数ラインか1ラインかは製品によって固定されているのが普通だが、どちらか好きなタイプにして運用できるというのは珍しい。極端に高い電流を必要としないシステムならSPLITモード、ウルトラハイエンドのビデオカードといった電流が大きく変化するデバイスを利用しているならCOMBINEモード、というように自分のシステムに応じて切り替えて使うとよいだろう。

12Vラインを複数にするか1つにするかは、このスイッチで選択する。スイッチはマイナスドライバを使ってスライドさせるタイプ

 冷却ファンはオリジナルの120mm角ファンを搭載する。このファンは独自技術のナノタッチベアリングを採用しており、摩耗係数が低いので静音性が高く発熱が低いとしている。また、軸受けにオイルを使用していないため、冷却ファンのトラブルに多いオイル漏れの心配がない。公表されているスペックでは約1000rpmで風量43.8CFM、騒音レベル14.1dBAとかなり優秀な数値。電源負荷と騒音レベルの推移グラフも公表されており20%で25dBA、50%で32dBA、80%で37dBAとされている。

 試しに50%の600W近い負荷をかけてみたが、ちょっと風切り音が聞こえる程度だ。もっともこのクラスの負荷となると、CPUまたはビデオカードのファンが全速回転で回っているはずなので、これにかき消されてほとんど聞こえないだろう。

シャットダウン後のアフタークーリングは、このケーブルとケースファンを接続する。コネクタはファン用3ピンとペリフェラル4ピンの2つ

 シャットダウン後のアフタークーリング機能を持つ製品の多くは、シャットダウン後に一定時間電源ユニット搭載ファンが稼働するのだが、本製品は各種ケースファンも同時に稼働させることができ、より強力なアフタークーリングが可能だ。この機能のための専用ケーブル(ペリフェラル4ピン&ファン用3ピン)が用意されている。なお、このケーブルの出力電圧は電源ユニットファンのファンコントロール機能と連動しているため、接続するファンの回転数には注意する必要がある。

プラグのコネクタ部分は色分けされているほか、とのコネクタがどの12Vラインかを示すシールが貼られている

1次回路と2次回路の間にあるトランスが、巨大で2つあるのが特徴的。コンデンサはすべて105℃タイプのものを採用している

 実売価格は約4万円。1000Wオーバーの高級高出力電源ユニットということを考慮してもかなり高めの製品だが、12Vラインモード切り替えや独自ファン、強力なアフタークーリングといった多彩な機能は魅力的だ。機能性を重視するユーザー向けの製品と言えるだろう。

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