数年前からドキュメントスキャナーに注目が集まっているが、その便利さに比べると、まだまだ普及率は低い。個人的には「パソコンのキラーコンテンツ」とさえ感じているドキュメントスキャナーの、メリットと活用法を紹介しよう。
大量の紙資料を手軽に電子化できるドキュメントスキャナー
ドキュメントスキャナーとは紙資料を電子化する周辺機器のことで、複数枚の紙資料をシートフィーダにセットして、一気に取り込めるのがウリの製品だ。机の周りに散乱している紙資料がなくなればすっきりするし、パソコン上で検索できるので利便性も高まる。しかし、「スキャンする手間が面倒」とか、「製品の価格が高い」といったイメージから、手を出しにくいと感じている人がいるかもしれない。
メーカーや性能によって異なるが、個人用途では価格が2万円後半から5万円の製品が主流。確かにネットブックやコンパクトデジカメが買える値段だが、ドキュメントスキャナーを使うことで得られるメリットはそれ以上と断言しよう。ビジネスユーザーはもちろん、家庭向けの使い方でも、元が取れることは請け合いだ。
筆者は仕事柄、ドキュメントスキャナーが注目され始めるずいぶん前から、記事に取り上げたりして触れる機会があった。便利さは理解していたが、数万円という価格がネックで当時はスルーしていたものだ。しかし、自分が書いた雑誌の見本誌や購入する資料で、毎月30冊以上の雑誌・書籍が増えていた。さらにマンガや小説も大好きで、大きな本棚4つだけでは足らず、本を床に積み上げる始末。やがて書籍が生活圏を侵食し始めたので、ドキュメントスキャナーによる電子化にチャレンジした。
その結果、単行本とハードカバーの本を納める本棚以外の本・雑誌はすべて処分できた。書物以外にも、定番の名刺もデータ化。クレジットカードや証券会社、保険関係の書類、家電のマニュアル類、保証書類も電子化している。不要になった原本はすべて破棄。ダンボール箱で数十箱、部屋で言えば4~6畳間のスペースが開放されることに。オフィスや自宅を賃貸で借りている身としては、このスペースの開放はダイレクトに利益と感じられる。もし、奥さんが出費に渋い顔をしても、本棚がなくなったり、散乱する紙がなくなると言えば、説得できるのではないか。
ルーチン作業にすれば取り込みの手間は気にならない
ドキュメントスキャナーで取り込むには、紙がばらばらになっている必要がある。雑誌や書籍を取り込む場合、1~2冊ならカッターナイフでばらす手もあるが、通常は裁断機などでカットすることになる。そこで購入したのが、A3対応のペーパーカッターだ。中国製で製品名も不明だが、2万円以下と言う安さに目を奪われた。
筆者は、まず1000冊くらいスキャンする必要があったし、その後も毎月50冊は処理することになるので、裁断機は必須だった。ただ、届いてからわかったのだが、裁断機は非常にかさばる。重量があるので持ち運びが大変だし、棚の上とかには置けない。結局、リビングの端に転がしてある。
電子化する書籍がそれほど多くないなら、フェデックスキンコーズの裁断サービスを利用する手もある。厚さ2.5cmまでの書籍なら1冊105円で裁断してくれる。中とじの雑誌なら、外す手数料が1ヵ所10円かかる。なお、辞書やハードカバーは裁断できないとのこと。また、店舗によっては裁断サービスを扱っていない場合もあるので、最寄の店舗をウェブサイトから検索して、裁断サービスを提供しているかどうか、あらかじめ電話して確認しよう。
裁断機があれば、雑誌や書籍をばらすのは簡単だ。セットして、ハンドルを押し込むだけで終了。その際注意したいのが、ホチキスのような金具で止めてある雑誌。この金具に裁断機の刃があたると、切れ味が落ちてしまう。事前に金具は外しておくこと。
もっとも筆者の場合、数百冊の金具付き雑誌を一気にスキャンする必要があったので、金具は取らずに、金具以上の厚みで裁断することにした。表紙の一部が切れてしまううえ、印刷面のぎりぎりまで端が来るが、その分手間が大きく省ける。データも閲覧するのは自分だけだ。ちなみに、何回か金具ごと切断してしまったが、今のところ切れ味は落ちていない。
大型の裁断機が功を奏して、週刊アスキーの厚みならほとんど手応えなくカットできる。厚みが2cm近くある雑誌やコミック、単行本も簡単だ。厳密に平行を取ると手間取るが、上端を裁断機に押し付けるだけでもほぼ問題ない。作業時間は1冊1分もかからない。

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