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Virtual Private Serverのサービスを提供用パッケージも用意

フリービット、仮想データセンターサービス「MeX VDC」

2010年03月04日 07時30分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 3月3日、フリービットは子会社であるメディアエクスチェンジと共同で、仮想データセンターサービス「MeX VDC(Virtual Data Center)」を発表した。「仮想専用サーバ(VPS:Virtual Private Server)」を使った既存のサービスではサーバだけが仮想化されるが、MeX VDCではネットワークも仮想化される。そのため、ネットワーク構成も自前で設定が行なえる特徴を持つ。

 MeX VDCは、中規模/大規模システム向け仮想データセンター「ENTERPRISE-FARM」、ライトユース向けの仮想専用サーバサービス「ENTRY-VPS」、そして仮想データセンターサービスを提供したい通信事業者向けのシステムパッケージ「VPS-BOX」からなる。

 ENTERPRISE-FARMは、仮想化されたサーバやネットワークを用いた仮想的なデータセンター(VDC)をユーザーに提供するサービス。フリービットが独自開発した管理ツール「MeX Desktop Data Center」が用意されており、ユーザーのオフィスにあるPCからリモートコントロールが行なえる。申し込みから開始までの期間が短いのも特徴で、初回申し込み時は契約から3営業日で利用できるほか、利用開始後の構成変更はリモートから可能で、最短5分で反映される。

初出時、利用開始期間に関する説明が古い情報に基づいていましたので、本文を修正いたしました。(2010年3月4日)

 対応するゲストOSは、Windows Server 2003/2008、Red Hat Enterprise Linux、SUSE Linux Enterprise Server、CentOS4、Solaris 10、FreeBSD6など。ユーザー専用のファイアウォールやウイルス/スパム対策、IPS、ロードバランサなども提供される。また、IPv6に標準で対応する。

 中堅・大企業の社内システムのほか、負荷が大きいネットワークシステムを使っているコンテンツ配信事業者、情報システムプロバイダでの利用を想定。有名オンラインゲーム会社やコンテンツ配信事業者、大学などが採用を予定しているという。

 月額料金は、定額の仮想マシン利用料と従量制の回線使用料からなっており、一例は以下の通り。

ENTERPRISE-FARMの料金例

 ENTRY-VPSは、2011年第1四半期の提供を予定している、小規模Webサイトの運用やデータ管理用途を想定したサービス。仮想サーバ1台単位の利用が可能で、メモリ1GB、500GB HDDの構成で月額3000円~4000円を予定している。

 VPS-BOXは、仮想化プラットフォーム実装済みの物理サーバを1筐体単位で提供するサービス。1筐体あたり、256MBメモリ、10GB HDDのVPSを最大250動作させることができる。VPSサービスを行ないたいと考えるインターネットサービス事業者向けの販売を予定する。料金は、ラック設置代と共有ネットワーク利用料などを含んで月額9万9800円。

 なお、仮想化環境について、先行提供する「ENTERPRISE-FARM」ではVMwareの製品を、「VPS-BOX」ではOpenVZをそれぞれ採用する。しかし、今後は独自開発の仮想化技術「SiLK VM」を採用する方針だという。SiLK VMは、中国の「北京天地互連信息技術有限公司」との合作企業である「北京天地互連飛比特網絡科技有限公司」を中心に開発を進めており、IPv6への標準対応、物理サーバ収容率の向上、ゲストOSのバリエーションの確保などが特徴となっている。

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