DIY派にデルがお勧めできる理由
デルを選定した理由として、導入候補として挙っていたEqualLogic製品を使いたいという理由のほか、やはりコスト面が大きかったという。「他社は金額に対してオーバースペックでしたし、通年でかかってくる保守やソフトウェアライセンスのコストがけっこう高かった」(大江氏)ということで、妥当な金額だったデルに白羽の矢が立った。コスト削減に迫られているSMBの企業にとっては、リーズナブルな価格はやはり非常に重要なファクター。その点、デルの製品やサービスは高い評価が得られている。
また、SMB特有ともいえる理由として、ユーザー自身で運用管理ができることも重要視された。今回の事例ではアクセル自身が仮想化ソフトの検証やサーバーの移行、システムの運用等も行なっている。だが、「構成検討の段階でけっこうアドバイスもいただきましたし、物理サーバーから仮想サーバーへの移行に関してもP2Vトレーニングというのが用意されていたので、2台目以降はスムースに作業ができました」(大江氏)ということで、デルのサポートが大きな力になったようだ。
導入作業は2009年の8・9月で、仮想化可能なサーバーなどをより分けたのち、リソースのアセスメントを実行。9月にP2Vへのマイグレーションを実行し、連休中に一気に統合を完了した。
効率的な管理も可能
次はDRサイトとの連携
机上の空論ではなく、仮想化は導入効果も絶大であった。アクセル 技術グループ 情報システム運用担当 柳下香氏は「仮想化したおかげで、とにかく複数のサーバーのデータがOS含めてまるごとバックアップができるようになりました。あとはサポートの切れたような古い環境をそのまま仮想サーバとして持ってこれるのが大きいです」と語る。とにかく効果的なリソース利用ができるようになったとのことで、懸案であった電力や発熱、スペースなどの節約にも一役買っている。
とはいえ、同社が次に行なうのは、DR(Disaster Recovery)サイトの構築である。現状、2つのラックにEqualLogic PS6000が二重化されて収められているが、このうち一方をデータセンターに移行するという。「EqualLogicでは標準でレプリケーション機能を搭載しているので、これを使って、DRサイト側と同期をとります」(大江氏)とのこと。
このように、アクセルはデルのサーバーとストレージを組み合わせ、一足先に仮想化のメリットを享受している。今回の事例のとおり、仮想化は未来の技術ではなく、今そこにある魅力的なソリューションだ。「CPUパワーが強力になり、ハイパーバイザ型の仮想化ソフトが登場してきたことで、パフォーマンスも向上しました。まさに導入の時期だと思います。」と大江氏も仮想化によるデータの統合に大賛成。もちろん不安はあるだろうが、さまざまなサービスやコンサルティングを持つデルが仮想化の世界へと誘ってくれるはずだ。