ネオジャパンとテクネットは、Webグループウェア「desknet's」のオンサイトサポートサービスで協業すると発表した。テクネットは、中小企業のITサポートを専業とする企業。
desknet'sは、現在こそ大企業や官公庁も採用するWebグループウェアで、240万ユーザーを擁するまでに発展しているが、その根幹はなんといっても中小企業が簡単に導入できる手軽さにある。中小企業の場合、IT部門が存在しなかったり、数人体制ということも珍しくない。こうした状況に対応するのが、今回の協業ということになる。
ネオジャパンには
月間1000件もの問い合わせが
会見冒頭に挨拶をした、ネオジャパン取締役 プロダクト事業本部 本部長の大神田守氏は、ネオジャパンの問い合わせ状況をまず語った。ネオジャパンへの、購入後の月間問い合わせ件数は1000件以上で、4割が電話、5割強がメールによるものだという。
これらの問い合わせに対し、同社としては、問い合わせ件数の削減とリードタイムの短縮を大方針とし、FAQサイトを設けたり、顧客からの問い合わせについては1営業日中の返答を基本姿勢として取り組みをしてきた。コールセンターは社内に保有し、専門のサービス部門と一体化することで即答体制を確立。より難しい内容に関してはデータを送ってもらって解析をするという有償サービスも展開している。また、Web会議システムを使った顧客との対話サポートや、リモートログインによるサポートも実施している。
しかし課題もある。
- 販売数の増加によって問い合わせ量が増え、目標とするリードタイムの確保や対応内容の維持が厳しくなってきた。
- 問い合わせの内容が、システム全般に関するものであったり、他社製品連携に関するものなど、ネオジャパンの領域外になっている場合の対応。
- 顧客側にIT技術者がいない場合、対応方法を伝えても、コンソールによる作業などが入ると操作ができない事例がある。
- 活用・運用や更新に対する支援対応。「もっとうまく使いたい!」という問い合わせに対応するには、サポートではなくてコンサルが必要。
大神田氏によれば、以前は仕事をより円滑に勧めるためのものであったグループウェアは、現在では仕事に不可欠なものになっており、desknet'sが停止したら仕事も止まってしまうという状況になりつつあるという。こうしてグループウェアをはじめ、情報系のシステムが企業内で重要性を高める中、今のままでは対応が追いつかなくなるのは目に見えている。
期待されているのは、
- トラブル時の即時対応、しかもできれば現場対応
- 定期的な運用支援、データ保全や管理設定の変更を含めた深いサポート
- 運用形態に関するコンサル的な対応
といったものになるのだが、これをテクネットとの協業でスタートさせたというわけだ。
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