オフィススイート「iWork」にiPad版登場
続いてジョブズは「iWork」の話を切り出した。iWorkとは、プレゼンテーションソフトの「Keynote」、文書作成ソフトの「Pages」、そして表計算ソフトの「Numbers」をひとつにしたオフィススイートのこと。特にKeynoteは優れた表現力を備えており、「勝負プレゼン」をするためだけにMacを買う人も増えている
同ソフトはプロダクトマーケティングの上級副社長、フィル・シラー氏がプレゼンテーションを担当した
Keynote
iPad版のKeynoteでは指でスライドをドラッグして入れ替えたり、ソフトキーボードで文字を入力することが可能だ
Pages
Pagesも同様に指での操作となる。文字がレイアウトされたページ上のグラフィックを指でドラッグして動かすと、それにあわせて自動的にテキストの回り込みが調整される
Numbers
Numbersでは、ソフトキーボードを開くと自動的に数字入力用のものに切り替えてくれる
直感的な操作で、高度な表現をするiWork
iPadに完全最適化されたiPad版は、3本のアプリがバラ売りで各9.99ドルだ
iPad版iWork誕生の経緯
ジョブズは、iWorkの開発チームに、これがiPadで動かないかと尋ねたところ「iWorkは多大なプロセッサーパワーを使うので難しい」と言われたという。そこでジョブズは「じゃあ、iPad用にiWorkをつくりなおしてみてはどうか」と尋ねたのがきっかけでiPad版iWorkが生まれた。
契約時期もSIMロックも「フリー」なiPad
再びジョブズ氏が戻ってきて、iPad本体の話
iPadはiPodやiPhone同様、パソコンとUSBケーブルでつないで内容を同期することが可能だ。その際、本体内の各データを自動でバックアップしてくれる
iPadは標準で無線LAN(WiFi)を備えている。これに加えて、携帯電話網「3G」に対応した「WiFi+3G」モデルも用意。この3G通信は現在、米国でiPhoneを販売しているAT&Tがキャリアとなっている
米国ではパソコン用データ通信のUSB端末が月額60ドル(5500円ほど)で使える。iPadでは、こうしたコンテンツをもっと手頃に楽しめるようにと、2つのプランを用意した。ひとつ目のプランは月額14.99ドル(約1350円)で、最大250MBまでのデータをやりとりできるプラン
もう1つは、容量無制限で月額29.99ドル(約2700円)というプランだ
iPadのWiFi+3Gモデルは、電話を利用するのに必要な「SIMカード」が最初から入っている。ユーザーは購入後、iPadからデータ通信機能をアクティベート(有効化)する。これは欧米のみで発売された初代iPhoneも販売初期に採用していた方法で、iTunesの画面にクレジットカード情報を入れると、自動的に電話番号などが振り当てられる
それ以上に画期的なのは、iPadでは携帯電話キャリアとの契約が不要で、ユーザーが思いたったらいつでも簡単に解約できること。要するに「○年しばり」を付けない販売方法だ
iPadは基本的に「SIMロック」されていない。SIM自体も「micro SIM」という新しい小型のタイプを採用している
ジョブズは3G通信機能付きiPadの特徴を「(少なくとも)米国内では、画期的な条件で提供されていること」として、海外での契約は6月(口頭では6、7月)までに決めると明らかにしている