Q8 Core iシリーズのノートは、Core 2 Duoノートと比べてどれくらいの性能があるのか?
A8 同クラスの製品なら、全般的に性能向上を果たしている。特にCPU周りの高速化が目立つ。
今回はNECの大型ノート「LaVie L」シリーズから、Core i5-430M(2.26GHz)を搭載する「LL750/WG6」と、Core 2 Duo P8700(2.53GHz)を搭載する2009年秋冬モデル「LL700/VG6」を取り上げて、同価格帯でコンセプトも同じノートパソコン同士での性能を比較してみた。両機種とも、発表当時の予想実売価格は17万5000~18万円前後と、同価格帯に位置付けられる。主な仕様は以下のとおり。
LL750/WG6 | LL700/VG6 | |
---|---|---|
CPU | Core i5-430M(2.26GHz) | Core 2 Duo P8700(2.53GHz) |
チップセット | HM55 | GM45 |
メモリー | DDR3-1066 4GB | |
グラフィックス | CPU内蔵 | チップセット内蔵 |
ディスプレー | 16型ワイド 1366×768 | |
光学ドライブ | 記録型BDドライブ | |
HDD | 500GB |
Windowsエクスペリエンスインデックス
まずはWindows 7のパフォーマンス評価機能「Windowsエクスペリエンスインデックス」の結果を比較してみた。
最低値となる基本スコアは、LL750は「グラフィックス」の4.7、LL700は「ゲーム用グラフィックス」の3.4となり、大きく向上している。項目別に見ると、「プロセッサ」はLL750でやや向上し、「メモリ」は横ばい。「グラフィックス」と「ゲーム用グラフィックス」は、LL750で大きく向上している。GPUクロックの上昇が効いたということだろうか。一方、搭載するHDD性能の影響が大きい「プライマリハードディスク」は、逆にLL750の方が若干低かった。
CPU性能
次にCPU自体の演算性能を、総合ベンチマークソフト「SiSoftware Sandra Lite 2010c」を使って計測してみた。
整数命令・浮動小数点命令の性能比較と、マルチメディア処理の性能比較の2種類を計測してみたが、どちらもLL750の方がかなり高い。前者はほぼ1.5倍、後者も1.27~1.8倍と、大きな性能差を示している。
動作クロックだけなら、LL750のCore i5-430Mの方が低いのだが、テスト中はターボ・ブーストにより、ほぼ最高値の2.53GHzで動作し続けていたようだ。それでも動作クロックは同等だから、この差には驚かされる。
TMPGEnc 4.0 Express
「TMPGEnc 4.0 Express」を用いて、動画のトランスコード性能を比較した。素材には約54秒のフルHD解像度のAVCHDビデオ(.m2ts)を使用し、MPEG-4(ISO MPEG-4)の標準設定のまま変換、複数回計測の平均値(秒)を算出した。
約20秒もLL750の方が速いという結果になった。1分に満たない短い素材でこれならば、長い動画の変換ではさらに大きな差が付くと期待できる。変換中はターボ・ブーストで2.53GHz動作が続いていた。Core i5の霊験あらたかというところか。
PCMark Vantage
総合ベンチマークソフト「PCMark Vantage」で、総合スコアと各項目の詳細スコアを計測してみた。
HDD性能の項目を除けば、どれも+10~30%程度の高速化を果たしている。特に30%近い差がある「Gaming」では、CPUやGPUの性能差を見る項目で大きな差が見られる。「TV and Movie」ではビデオトランスコードの処理で、LL750の方が大きな差を付けていた。
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