11月30日、米サン・マイクロシステムズはIntel Mac向け仮想化ソフトの最新版「VirtualBox 3.1」をリリースした(関連リンク)。17日には、軽微なバグフィックスを主目的とした最新のバージョン3.1.2が登場している。
VirtualBoxは一部機能を除く主要部分のソースコードがGPL(GNU General Public License)v2に基づき公開されてるほか、フル機能を備えたクローズドソース版も個人利用であれば無料で使えるというのが特徴だ。
「Parallels Desktop 5」(関連記事)と「VMware Fusion 3」(関連記事)のレビューに引き続き、VirtualBoxでも注目の10機能を紹介していこう。
VirtualBox 3.1.2とは?
フリーウェアながらWindowsアプリケーションの画面をMacのデスクトップに直接表示する「シームレス」モードもサポートしている。元々は独innotekで開発されていたが、2008年2月に同社を買収した米サン・マイクロシステムズによって開発が続けられている。バージョン3.1の対応システムはMac OS X 10.5以降(10.6対応)となり、10.4はサポートしなくなった。
目次
1. ゲストOSを瞬間移動、「テレポーテーション」
バージョン3.1の目玉機能と言える「テレポーテーション」は稼働中のゲストOSのセッションを中断することなく他のホストマシンに移動する機能。一般には「ライブマイグレーション」機能と呼ばれることが多い。サーバーを停止することなくハードウェアのメンテナンス作業が行なえるため、仮想サーバーの運用では特に重要な機能だ。なお、本機能はGUIでの操作はできず、ターミナルからVBoxManageコマンドで操作する必要がある。
上の動画は、iMac(Late 2009)で動作しているHAIKU-OSを画面共有で表示しているiMac(Mid 2007)へ移動したところ。仮想ディスクのイメージファイルは別のWindows PCに保存し、SMBで共有している。
2. スナップショットが分岐可能に
仮想マシンの状態を保存し、いつでもその状態に復元できる「スナップショット」機能は以前からサポートされていたが、保存した順に過去の状態に戻ることしかできなかった。バージョン3.1では過去に保存した任意のスナップショットの状態に戻り、そこから分岐して新しい状態を保存できるようになった。また、詳細画面にはスクリーンショットが追加され、保存時の状態が分かりやすくなった。
3. EFIのサポート
バージョン3.1ではファームウェアとして従来のBIOSだけでなく、EFI(Extensible Firmware Interface)を試験的にサポートした。
ただし、EFIに対応している64bit版Windows 7のシステムディスクで試してみたが、インストーラを起動することはできなかった。また、現状ではMac OS XをゲストOSとして起動することもできない。