Windows 7の機能でキャリブレーションする
本機を接続して操作を始めた直後は、画面端のタスクバーやスタートメニューのあたりで、うまく操作できなかった。そんな時は、OS標準のキャリブレーション機能で調整する。画面の端を16ヵ所タップし、設定を保存すると正確に操作できるようになった。ちなみに、最初の調整でうまくいかなくても、次回の調整からは4ヵ所をタップするだけの簡易調整になる。最初の調整で大きく位置がずれていると修正が効かないので、その場合は一度リセットしてから調整すればいい。
Windows 7ではタッチ操作で、マウスと同様の操作ができる。ダブルクリックはもちろん、その場を押しっぱなしにする「プレスアンドホールド」で右クリックも可能だ。2本指でのマルチタッチにも対応しており、フォトビューアーで画像を拡大・縮小したり、ペイントで2本同時に線を引いたりできる。
タスクバーでジャンプリストを表示するには、タスクバーのボタンをタップして上にスライドさせる。反応は上々で、ストレスを感じるようなことはなかった。右クリックが出るまで指をホールドしている時間は長めなので、さくさく操作したいならタイミングを調整する。
タッチパネルのセンサーは光学式なので、ガラス面からベゼルが約9mm高くなっている。そのため、画面端にあるスタートボタンやタスクボタン、右上の「閉じる」ボタンをタップしにくいのが気になった。また普通のガラスと同じような手触りなので、スライドやフリック操作を行なう際、指が引っかかることがあった。
解像度がフルHDと高いためか、パソコンのグラフィック性能によっては画像を扱う操作がもたつくことがある。これはパソコン側の問題だが、チップセット内蔵のグラフィック機能や古いパソコンでは、快適さに欠ける可能性もある。
通常の液晶ディスプレーとしても文句なし
スピーカーは背面上部に搭載されており、出力は1.0W×2。音質はそこそこで、操作音やBGM程度なら利用できるが、音楽や映画鑑賞には向いていない。また多くのタッチディスプレーと同様、マルチディスプレーでは利用できない。シングルディスプレーで使う必要があるので、現在マルチディスプレーを利用している環境に導入するのは難しいだろう。欲を言えばHDMI入力が欲しいし、どうせUSBケーブルを接続するなら、ディスプレー側にUSBハブを内蔵してくれると便利だ。
とはいえ、5万円以下の価格を考えると、21.5型のフルHD液晶ディスプレーで、2系統入力&ステレオスピーカーを搭載しているのでお買い得度は高い。VESAマウントインターフェース規格にも対応しており、壁掛けやモニターアームでの使用も可能だ。なお、本機のタッチパネル機能はWindows 7のみ対応だが、映像表示だけならどのOSでも利用できる。DVIとアナログRGB、オーディオ、USBのケーブルもすべて付属している。
受付やレジなどの業務用途だけでなく、リビングに置いて写真・動画の鑑賞やウェブサイトの閲覧などで活用できる。ペイントソフトを子供のお絵かきツールとして遊ばせてもいい。大画面のタッチパネル液晶が欲しいなら、要チェックの1台だ。
LCD-AD221FB-T の主な仕様 | |
---|---|
パネルサイズ | 21.5型 |
解像度 | 1920×1080ドット |
タッチパネル入力方式 | 光学式、USB接続 |
視野角 | 上下160度、左右170度 |
最大輝度 | 260cd/m2 |
コントラスト | 1000:1 |
応答速度 | 5ms |
映像入力 | DVI-D、アナログRGB |
サイズ | 幅513×奥行き228×高さ393mm(スタンド含む) |
質量 | 約6.2kg(スタンド含む) |
価格 | オープンプライス、4万9800円(ioPLAZA直販価格) |
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筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。Netbookからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートPCは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、PCやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。
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