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「生まれたときからロックンロール」デッドボールPかく語りき

2009年11月22日 12時00分更新

文● ノトフ

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ありきたりなJ-POPじゃつまらないじゃないですか

―― 次は歌詞についてですが、どうしてあんなに下ネタだらけなんですか?

歌詞に下ネタが多いのは「好きだから」

デP 好きだからですね。

―― 好きなんですね(笑)。

デP だって、普通の歌詞ってつまらないじゃないですか。恋愛がどうだこうだとか。人の個性が云々かんぬん言っても、そんなのは今までにJ-POPの先人達がやっているわけなので。

―― 「永久に続く五線譜」は真面目な歌詞になっていました。作者コメント欄には「そろそろ自分の芸風に少々飽きてきたので、普通の曲作ってみました」とも、「自分としては今までの芸風の延長線上のつもりなんですが」とも書かれてましたけど、あれはどっちなんですか。

デP あの曲は仕事でずっと作らされていた、お前らこう言うのが好きなんだろう的な一番作りたくない曲調に、面倒くせえなって感じの歌詞を付けて作ったんです。ただ、自分のアイデアで作ったという点では一緒なんですね。無理はしてないというか、自分の中から出てきたものなので。



―― ある程度、受けそうなところを狙って作った曲だったんですね。

デP そこまで狙ってもないですね。(動画の再生回数を)10万再生にしたいとか、100万再生にしたいとか。それならもっと普通の歌詞で、ウケそうなメロディーでやればいいんです。でも、それをやらなくていいのがニコニコ動画であったり、初音ミクなので。

―― それをやったら楽しくなくなっちゃう。

デP その結果が今のJ-POPじゃないですか。今、誰もCD買わないですし、紅白も「え、誰?」みたいな人が出たりしますよね。ありきたりな、よく言えば受けやすいメロディーで、受けやすい歌詞を載っけて、それらしい曲を量産してきた結果が今のJ-POPだと思っているので。俺は生まれたときからロックンロールですから。

―― そんなデPさんが好きなボカロPはいますか?

デP あー、「尊敬している人は」って質問されたら、プロ雀士の話をしようと思ってたのになあ。

―― ……尊敬している人はいますか。

デP プロ雀士に藤崎プロ※4という人が居まして、その方が「忍者」って言われているんですよ。どんなに大物手を上がりそうになってても、その気配を全然出さない人で、格好いいな! って。おれ、藤崎さんみたいに打てるようになりたいって思ってます。

※4 藤崎プロ:藤崎智(ふじさきさとし)氏は日本プロ麻雀連盟に所属する、競技麻雀のベテラン雀士。段位は七段。

―― あっ、その「忍者」が巡音ルカの曲「Japanese Ninja No.1」につながってるんですね?



デP いや、全然関係ないです。

―― ちょ、今の話は何だったんですか! だって、忍者の曲って珍しいじゃないですか。

デP あのときは寝起きにネタが降ってきて、「Japanese Ninja」の曲を作ろうって思ったんですよ。寝ぼけながらメモを取っておいたのをあとで確認したら「Japanese Ninja No.1」って書いてあったので、こうなりました。こういうことはたまにあって、楽譜を書いてあることもあるんですよ。でも線が6本書いてあったりする(笑)。

―― 夢から作るって、シュルレアリズムの世界ですね。

デP いつ曲が降ってくるか分からないですからね……。ちなみに「脱げばいいってもんじゃない」って曲は、自然食バイキングに行ってトイレに立ったとき、チャックを降ろしながら「あー、脱げばいいってもんじゃない!」って思いつきました。

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