すでに11月10日のソフトバンクモバイル、NTTドコモの発表会などで「Windows Mobile 6.5」搭載のスマートフォン製品が発表されているが、改めてマイクロソフトから同OSについて説明会が開催された。
なお今回の説明会では「Windows phone」という言葉がしばしば使われていた。これはWindows Mobileを搭載したスマートフォン全般を指すプラットフォーム名として、Windows Mobile 6.5のリリースに合わせてプロモーションに用いられている。
Windows Mobile 6.5の新機能は
タッチ、IE、クラウド連携、そしてアプリストア
まず壇上に立ったマイクロソフト代表執行役副社長 コンシューマー&オンライン事業部担当の堂山昌司氏は、マイクロソフトのビジョンは「3スクリーン+クラウドサービス」であるとした。この3つのスクリーンとは、PC、テレビ、ケータイを指している。この3つの画面をクラウドのサービスで相互に結ぶわけだが、このうちケータイでのキーとなるのがWindows Mobileということになる。
Windows Mobile 6.5の内容については、マイクロソフト モバイルコミュニケーション本部の越川慎司氏から説明がなされた。新機能は大まかに4点。
まずはユーザーインターフェイス。従来はスタイラスペンで画面を叩く使い方が一般的だったが、片手で操作する日本のユーザーには受け入れにくかったのが事実である。そこでWindows Mobile 6.5ではタッチパネルに最適化することで、操作性を大幅に改善している。
2点目は「Internet Explorer Mobile」。越川氏によると、スマートフォン購入者の約6割がPCサイトを見たいと考えているという。PCサイトの再現性を重視したのがIE Mobileとなる。
3点目は「Microsoft MyPhone」。Windows phoneに含まれる、電話帳、メール、写真などのデータをオンライン上のサーバにバックアップが取れるというもの。Windows phoneのユーザーであれば、誰でも200MBのスペースが無償で提供される。また写真については他のユーザーと共有するほか、FacebookといったWindows Liveサービスの外のソーシャルサービスとの連携も可能である。
そして最後は注目の「Windows Marketplace for Mobile」。iPhoneの躍進にとって、App Storeとそこから入手できる10万本を超えるソフトが重要な要素だったことは周知の事実。マイクロソフトもようやく同種のアプリケーション配信サービスを始めることになった。
実際にアプリを購入する場合は、キャリアが用意する課金システムではなく、Windows Liveに登録したクレジットカードを用いることになる。ただ、Windows phoneの場合はiPhoneと異なり、多様なスペックの機器があるため、アプリの対応状況が問題となる。
そこでWindows Marketplace for Mobileでは、OSのバージョンなどを自動判別し、実際に利用できるアプリケーションだけを表示してくれるとのこと。それでも不具合が発生した場合は24時間以内であれば返金が可能なシステムになっている。ソフトウェアの検索、ユーザーレビューなどの機能ももちろん備えている。
このWindows Marketplace for Mobileのスタートに合わせて、カプコン、コナミ、ハドソン、ジー・モードなどからのアプリ提供も発表されている。
最後に堂山氏はそもそもWindows Mobile 6.5が重要なのではなく、その上で動作するコンテンツの楽しさが重要であると語った。創造のサイクルを壊さないようにセキュアなプラットフォームを構築しつつ、Windows phoneでなければ体験できないエクスペリエンスを作っていきたいと発表会を締めた。
