あっさり買える……これは危ない
さっそく書籍を購入してみた。キンドルストアは「MENU」からいつでも表示できるようになっている。
Amazon.comにこれまで書籍を購入した履歴があればそれを踏まえた「おすすめ」が表示される。表示がコンパクトなだけで、Amazonの使い勝手とほとんど変わらない。検索で本を探すほうが速いのは、PCからAmazonを利用する場合と同じだ。検索欄がキンドルストアの下部に常に表示されているので、著者名やタイトルを入力して検索する。
Lawrence Lessigの本を買おうと「lessig」で検索したところ2点の候補が出た。翻訳の出ていない「Remix」は11ドル99セント(約1080円)だ。Kindle対抗ブックリーダー、「nook」を発売するBARNES&NOBLEでは同書のeBook価格が20ドル76セント(約1868円)なので、先行するAmazonの方が価格ではリードしている。
とはいえ、あっという間に価格競争に突入する勢いだ。
Kindleには、購入時にAmazon.comの登録情報からユーザー名とクレジットカード情報が登録されている。「Buy」をクリックするだけで購入、ダウンロードが開始されるので、1Click機能も継続して使えている。ダウンロード時間も短く、アナウンス通り60秒以内で終了した。HOMEを表示すればすでに読めるようになっている……これは危ない。日本語書籍が発売されたら本当に危ない。バカみたいに買ってしまう可能性はある。しかも、物理的な本を積み上げてあると「買いすぎた」プレッシャーがあるが、Kindleだとそれはわからない。
今のところ英語教材としても
このようにKindleの使い勝手は正直「いい」と感じさせる。
とはいえ日本語書籍の発売が未定である以上、飛び付くのはITガジェットに興味がある層か、限定された洋書購入層だけだろう。
もうひとつ活用法を上げるなら、英語教材としての使い方だろうか。
Kindleには、書籍を音声で読み上げる「Text-to-Speech」機能が搭載されている。キンドルストアの商品情報には、読み上げの有効/無効が表示されている。有効な書籍であれば書籍表示中に「Aa」ボタンを押すと、文字サイズ変更メニューと並んで「Text-to-Speech」メニューが表示される。「turn on」をクリックすれば読み上げスタート。slower default、fasterの3段階のスピードを選べる。
読み上げはなめらかだが、タイトルや見出しと本文の間に息継ぎがないのは欠点かもしれない。それでもこの機能があれば、購入した書籍をオーディオブック代わりに活用できるので、Kindleを英語教材として使える。片手で本体をホールドし続けるには重いこともあるし、電車の中ではカバンに入れたまま、読み上げでずっと聞くという使い方はよいと思う。
次回は使い勝手に加えて、Kindleを取り巻くビジネスの背景を整理したい。なにしろ、この原稿を書いている最中にもパソコン版Kindleのリリースが発表されたり、米大手書店チェーンBarnes&Nobleが完全にKindle対抗ブックリーダーを同じ価格で発売するなど、状況の変化が激しすぎるのだ。筆者も必死になって現状を整理しているところである。