Windows 7の魅力の一つに、AV機能が強化されたことが挙げられる。標準でサポートされるコーデックが増えたほか、Home Premium以上のエディションには、デジタル放送に対応した「Media Center」機能が標準搭載されており、Media Centerの10フィートGUIを活かした地デジ放送対応のAVパソコンも簡単に作れるようになった。そこで、今回はWindows 7の新機能を活かせる新世代AVパソコンを作ってみたい。
Blu-rayも地デジも対応!
新世代AVパソコンを作る際のポイントは?
AVパソコンやテレビパソコンはアナログ放送時代から人気だが、現在ではハイビジョン放送対応の地デジチューナー搭載パソコンが各メーカーから登場している。そこで今回は、メーカー製AVパソコンを上回る機能と性能を誇る新世代AVパソコンの製作にチャレンジしてみたい。
まずCPUについてだが、ハイビジョン放送を快適に視聴するには、それなりのスペックが求められる。また、AVCHDやHDVなどのハイビジョン録画に対応したビデオカメラも普及が進んでいるが、撮影したハイビジョン動画の編集には高いCPU性能が必要になる。単に、地デジ放送を見るだけならデュアルコアCPUでも十分だが、AVCHD形式の動画ファイルを快適に編集したいのならクアッドコアCPUが欲しいところだ。加えて、エンコードやフィルタ処理などは、「CUDA」や「ATI Stream」といったGPGPUによる高速化に向いた処理であり、動画編集ソフトなどの対応アプリケーションも増えつつあるので、マザーボードはグラフィックス機能を搭載していないものを選び、ミドルレンジのビデオカードを搭載するとよいだろう。
ハイビジョン動画の編集を快適に実行するには、メモリーの容量も重要だ。一般的な使い方なら4GBでとりあえず十分だが、「Adobe Premiere Pro CS4」のようなプロ向けの動画編集ソフトは64bit環境への最適化が著しいので、本格的な作品を作りたいのならOSも64bit版を選び、メモリーも8GB以上を実装したい。以前の地デジチューナーカードは、64bit環境に対応していないものが多かったが、Windows 7時代は64bit版のシェアがかなり増えることが予想されており、Windows 7対応をうたう地デジチューナーカードの多くが64bit環境への対応を発表している。テレビ機能にこだわるのなら、地上デジタル/BSデジタル/110度CSデジタルの3波対応製品やデュアルチューナー搭載製品を選びたい。
地上デジタルのハイビジョン番組をそのままの画質で保存すると、1時間あたり約7.1GB、BS/110度CSデジタルのハイビジョン番組なら1時間あたり約10.5GBもの容量を使用する。そのため、数多くの番組を録画したいのなら大容量のHDDが必要だ。最低でも1TB、できれば2TBを選びたい。また、Blu-rayドライブがあれば、市販の映画などのBlu-rayタイトルの再生も楽しめる。なお、Blu-rayタイトルを再生するだけなら、Blu-rayメディアの読み込みのみに対応したBD-ROMドライブでいいが、編集した動画をBD-Rメディアに書き出して配ったり、録画したハイビジョン番組をBD-Rメディアにムーブするには、Blu-rayメディアの読み書きに対応したBlu-rayドライブが必要になる。新世代AVパソコンを名乗るなら、やはりBlu-rayドライブも装備したいところだ。
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