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大画面でも壁掛けしたい! 「BRAVIA ZX5」

2009年09月30日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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設置イメージ。やはり壁掛けにすると部屋がスタイリッシュになる

設置イメージ。やはり壁掛けにすると部屋がスタイリッシュになる

大画面だけに、4倍速表示対応など、画質面も大幅進化!

 ZX1は、どちらかといえばスタイリッシュなデザイン優先で、画質的には同社のスタンダードなモデルと同程度にとどまっていた。しかしZX5では、大画面モデルにふさわしく画質にもこだわった。その最大のポイントが「モーションフロー240Hz」の対応。60コマの映像を4倍速の240コマで表示することにより、なめらかな動画再現が可能になる。

 4倍速表示はすでに「W1/F1」シリーズなどでも採用しているが、液晶テレビの動画表示としてはかなり高いレベルにある。動きの速いテロップやテスト用画像のスクロールなどでは多少、動画補完のエラーも散見されるが、普通の映像を見ている限り、エラーによる映像の乱れなどもなく、プラズマテレビで見るのとかなり近い鮮明な動画を表示できる。

 モーションフローは設定で「切/標準/強」を選択できる。テレビ放送なら「標準」で問題ないが、CGやグラフィックス系の映像の場合は「強」を選ぶとより輪郭などが鮮明になる。

 画質傾向は全体にやや明るめの鮮明さを意識したもの。広色域再現が可能な「ライブカラークリエーション」採用で、色乗りも豊かだ。やや青色に強調された感じがあり、そのせいか真っ青な空の鮮やかさ、海面の深いブルーなどの美しさが印象的だ。赤や緑などには強調感はほとんどなく、鮮やかではあるが肌色が不自然になるようなこともなかった。

テスト用に撮影した画面写真。深みのある青空が美しい。明るい画面ながら、雪山の質感もしっかりと再現されるなどディテール感豊かな映像

テスト用に撮影した画面写真。深みのある青空が美しい。明るい画面ながら、雪山の質感もしっかりと再現されるなどディテール感豊かな映像

都市の夜景を空撮した映像。ビルの灯りの鮮明さはもちろんのこと、遠景に広がる街の灯りまで驚くほど鮮明。黒浮きなどもほとんど気にならない

都市の夜景を空撮した映像。ビルの灯りの鮮明さはもちろんのこと、遠景に広がる街の灯りまで驚くほど鮮明。黒浮きなどもほとんど気にならない

 もうひとつの進化ポイントが映像処理を行なう「ブラビアエンジン3」。処理能力を向上させることで、よりきめ細やかな入力信号の解析とノイズ低減を可能にしている。映像を1フレームごとに解析し、リアルタイムでコントラストを最適に調整するため、豊かな階調表現とリアルな質感再現が可能だ。都市の夜景を空撮した映像などを見ると、暗いビルのシルエットはしっかりと黒く沈み、窓の灯りやイルミネーションはまぶしく輝く。絶対的な黒の締まりでは、プラズマテレビや部分制御を行なうLEDバックライト採用モデルには及ばないものの、その不満を感じさせない高コントラストな映像だ。

 これには、前面の保護パネルを透明アクリルとしたことも貢献しているだろう。いわゆる「光沢パネル」と同じで、映り込みをなくすためのノングレア処理による光の散乱がないため、精細感と高コントラストを両立できるものだ。当然、暗いシーンでは視聴している自分の姿が画面に映ったり、照明などの映り込みもあるのだが、映像そのものはすっきりと鮮明になる。

 本機の画質の特徴は「高精細ではっきりとした映像」と言える。その分、地デジ放送でもともとノイジーな映像などを見ると、ノイズがよりはっきりと見えてしまうこともあるが、このあたりは好みに応じてノイズリダクション機能を調節するといいだろう。鮮明で高精細な映像表現を得意とするテレビはほかにもあるが、液晶パネルの特性上、動画になるといきなり映像ボケによる解像度の劣化を感じてしまうことがある。落差が激しいだけに余計に動画の劣化感を感じてしまうのだ。しかし、。ZX5では、この鮮明さが動画でもそのまま楽しめる。これは液晶テレビとしては貴重だ。

本体底面。下部にスピーカーを内蔵しているため、一番厚い部分は59mmとなる

本体底面。下部にスピーカーを内蔵しているため、一番厚い部分は59mmとなる

 音質面では、スピーカー部が本体内に内蔵されたため、ZX1で気になった音が下の方から聞こえるという問題も解消。重低音まで立派に再現できるというわけではないが、人の声やさまざまな音を明瞭に再現する聴きやすい音だ。しかも、AVラックなどの上に置く「テーブルトップ」と「壁掛け/壁寄せ」設置に合わせてスピーカー特性を変更することも可能。どんな設置方法でも、最適な音が楽しめるようになっている。


憧れの壁掛けをもっと身近にするためのこだわり

 ソニーの調査によれば、薄型テレビを壁掛けで使いたいという人は26.4%おり、壁寄せも合わせれば約4割近くが壁掛けに憧れているとしている。しかし、実際に壁掛けをしている人はわずか0.6%で、壁寄せ設置も1.2%と少ないのだそうだ。

 この理由には、壁の補強や電源の壁内引き回しなど、専用の工事が必要になることや、普通の薄型テレビでは壁からの張り出しが大きすぎて不自然なことがある。実際に使う上でも、BDレコーダーなどとの配線を考えると、壁掛けはあまり現実的ではない。

 超薄型やワイヤレス配線はそのために実現されたもの。ZX5なら専用の壁掛け金具を使えば壁からの張り出しは約6cm程度とほんのわずか。配線はワイヤレスチューナーなので、他の機器との接続にも困らない。

 しかも、同社直販サイト「ソニー・スタイル」で行なわれる「プレミアムオーダー」もさらに充実。本体は限定の「ホワイト」が選べるほか、一緒にHDDレコーダーやホームシアター機器といったモデルの選択も可能だ。

 さらには配送・設置・設定・使い方の説明まで行なってくれる。これが憧れの壁掛けをより身近にするためのソニーのこだわり。マイホームの新築や改築を考えている人、スタイリッシュなインテリアにこだわる人ならば、ぜひとも注目して欲しい。


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