世界最薄のデザインで、薄型テレビは「壁掛け」から「壁貼り」に
昨年末に日立製作所が「Wooo UTシリーズ」で先鞭を付けた、液晶テレビの「超薄型」化ブーム。インテリア性を重視するユーザーに注目され、各社が続々と追従した。そしてついに満を持して登場したのが、ソニーの「BRAVIA ZX1」だ。
30~40mm前後だった他社の超薄型を一気に突き放し、最薄部なんと9.9mmの超極薄フォルムで登場した。スタイルのインパクトも大きいが、やはり「壁掛けレイアウト」が美しいことが大きなメリットだ。
従来の奥行きが10cm近くあるモデルでは、壁掛けをすると壁から飛び出しているイメージになる。だがZX1なら、壁掛け時の見た目もすっきりとしている。壁掛けというより「壁貼り」という印象だ。
この超薄型を実現した、同社極秘の内部構造について、じっくりと取材してきた。
どうせ勝負するなら、限界まで挑戦しよう
開発の経緯を話してくれたのは、エンジニアリングマネジャーの大滝進氏だ。
超薄型化プロジェクトは今年の1月にスタート、目標値は30mm前後だったという。その時点では一体型でバックライトも従来と同様だったが、実際に試してみると次々に問題が現れた。
なによりも難しいのは他社との差異化だった。30mm前後で勝負しても、他社からすぐに追いつかれる。そこで目をつけたのが、ノートPCなどで採用されているエッジライト方式の白色LED。社内の別部門で開発を進めていたこの方式を、液晶パネルのバックライトとして採用したらどうかと思いついたのだ。
エッジライトLEDは、もちろんまだどのメーカーも実現していない方式だ。チャンスはあるが、その分リスクは拡大する。だが、どうせ勝負するなら自分たちにしか作れない価値を生み出したい。そんな熱意がZX1を完成させたのだ。
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