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広告の本質に立ち返るべき時期に来た

「デジタルサイネージビジネス」参入のポイント

2009年09月25日 09時00分更新

文● 松本淳

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 9月18日、ワイアードビジョン、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科、アスキー総合研究所が主催する「デジタルサイネージ」をテーマとしたセミナー(「モバイル・PC・テレビに続く第4の画面をねらえ!」― 1兆円デジタルサイネージビジネス参入のポイント ―)が行なわれた。

 日常生活や、ニュースなどでも目にすることが多くなったデジタルサイネージだが、まだ私たちのビジネスシーンにおいて、気軽に採用しようという動きは大きくないのも実感ではないだろうか? 今回のセミナーでは「デジタルサイネージが成功するための10のポイント」と銘打ち、改めて「デジタルサイネージとは何か?」「どのように活用を図れば効果を得ることができるのか?」といったポイントについてワイアードビジョン竹田茂氏の司会進行のもと、第一人者たちによる議論が交わされた。

2015年1兆円市場は可能

江口氏
デジタルサイネージコンソーシアム常務理事 江口靖二氏

 デジタルサイネージコンソーシアム常務理事 江口靖二氏は、その市場規模の拡大に自信を示した。現在は、高い技術投資が必要なハイエンド分野が注目されているが、家庭用のデジタルフォトフレームのようなローエンドデバイスも今後サイネージの媒体として進化し、日常生活のあらゆるところにデジタルサイネージが浸透すれば1兆円市場も可能ではないかと語る。

最強のデジタルサイネージ=力道山の街頭テレビ

高広伯彦氏
スケダチ 高広伯彦氏

 電通・博報堂・Googleにも籍を置いていた経歴を持つ、スケダチの高広伯彦氏は、デジタルサイネージを語るときによく喧伝される「広告効果が測定できること」と「広告効果が認められること」には、大きな隔たりがあり、広告主が望んでいることは、あくまで後者であることを強調する。

 高広氏はそのわかりやすい例として、1950年代の街頭テレビを挙げる。効果測定の仕組みなどは当然用意されていなかったが、テレビの前に集まる大勢の人々とその熱気こそが広告効果そのものだ、という基本に立ち返るべきではないかというわけだ。

デバイスはシンクライアント化が必要

伊能美和子氏
NTT 研究企画部門 プロデュース担当 担当部長 伊能美和子氏

 NTT 研究企画部門 プロデュース担当 担当部長 伊能美和子氏も、今後はハードディスクすら持たないエコなシンクライアントが普及することが絶対に必要だと主張する。また、1箇所ごとにPCやセットボックスを置きシステム管理者による運用が必要な現在の仕組みではなく、ネットワーク側にコンテンツを置いて実現されるデジタルサイネージが、次のステップに進むためには不可欠と述べた。

2011年地デジの完成が鍵を握る

中村伊知哉氏
慶應義塾大学教授 中村伊知哉氏

 現在設置されているデジタルサイネージ端末のうち、ネットワーク化されているのはまだ1割に過ぎないと指摘するのは、慶應義塾大学教授 中村伊知哉氏。それらが進化するためには無線通信のための周波数帯(ホワイトスペース)が空く、2011年の地デジ移行の完了が不可欠だと主張する。民主党政権となって、その先行きに不透明感が出てきたことには懸念も表明していた。

次ページに続く

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