モバイルノートに求めるものは、人によって異なる。最近は価格ばかりが注目されるが、それだけでモバイルノートの価値が決まるわけではない。今回試用する「FMV-BIBLO LOOX R」は、モバイルユーザーに求められる「ベーシックな価値」を追求した製品だ。特にWiMAX内蔵モデルの性能を通じ、モバイルノートの快適さとはなにか、を考えてみよう。
モバイルワークに必要な「4つの条件」とは?
モバイルノートを使う上で、まず求めることはなんだろうか? 利用者が「ビジネスパーソン」である、と仮定すると、答えは「オフィスや自宅と、出来る限り同じ環境で仕事ができること」になるのではないだろうか。そう考えると、モバイルノートに求められる機能もおおむね見えてくる。
筆者がこだわる4つの条件
- (1) 実用性の高い解像度(1280×800ドット以上)
- (2) 快適な画面サイズ(大きすぎても小さすぎてもNG)
- (3) 何かを削ぎ落とさずに高速
- (4) 通信機能と十分なバッテリー駆動時間
まず第1に「必要十分な解像度」のディスプレー。オフィスアプリケーションやウェブブラウズを考えると、やはりXGAより狭い解像度では厳しい。ワイド液晶全盛の現状を考えると「1280×800ドットは必要」ということになる。
第2に「快適なサイズ」。持ち運ぶことを考えると小さいに超したことはないが、入力に手こずるサイズでは本末転倒だし、小さすぎる画面は見づらい。世界的に見ると、ディスプレーサイズでは13型以上が主流だが、日本の場合には、喫茶店やファーストフードの小さな机で使うことを考えると、10~12型がベストといえる。その中で、可搬性をスポイルせずに出来る限り大きなものを選ぶ、というのが基本となる。
第3にもちろん「性能」。セキュリティーなどの要件を考えると、最新のOS+最新のセキュリティー対策ソフトの活用が望ましいが、そうなるとパソコン側にはそれなりの性能が必要になる。重要なのは「ユーザー側がカスタマイズした」結果、快適になるのでなく、「買ったままでも」快適であることだ。仕事で安心して使うには、やはり基礎体力に優れたパソコンが必要になる。
そして最後に「モバイル性」。私はそれを“バッテリーで長時間、しかも通信しながら動くこと”と定義している。もはやパソコンを「ネットにつながず利用する」ことはナンセンスであり、だとすれば、単に長時間動作するのではなく、通信をしながら快適に使えることが大切な要件といえる。現在は、無線LANを利用するか、USBの外付けモデムを使うのが一般的だと思うが、前者は利用場所が限られるし、後者は接続まで「一手間」がかかる。理想はやはり「ワイヤレスWAN内蔵モデル」である。