操作の面でも性能の面でも「余裕」が気持ちいい
実際に使ってみて、最初に感じるのは「余裕」だ。ディスプレー、キーボードともに、本体サイズぎりぎりまで大きく取られており、13型ディスプレーを搭載したモデルと大差ない感覚で使える。特に18mmピッチのキーボードは、配列・タイプ感ともに良好で、使いやすい。
余裕のあるCPUなら、発熱も減らせる
同様の感覚は性能面でも感じる。すでに述べたように、このモデルではCPUにインテル® Core™ 2 Duo プロセッサー SU9600を採用している。決して最高速のCPUではないが、ベース性能は十分なものがある。特に大きいのが「CPU負荷の低さ」だ。
現在は、OS側が行なう各種インデックス作業やウィルススキャンなどのタスクが回る関係で、パソコンが動作している最中には、常にそれなりの負荷がかかっている。それぞれの仕事はさほどCPU性能を必要としないのだが、トータルではけっこうな仕事量となる。特にモバイルノートPCの場合には、その仕事量がバッテリーの消費量となり、本体の不快な発熱となって、使用感に跳ね返ってくる。
Windows エクスペリエンス インデックスの値 | |
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基本スコア | 3.2 |
プロセッサ | 4.7 |
メモリ(RAM) | 4.9 |
グラフィックス(Aero) | 3.2 |
ゲーム用グラフィックス | 3.4 |
HDD(プライマリ) | 5.1 |
LOOX Rシリーズの場合には、CPUの基本性能が高いので、そういった「ベースの仕事」での負荷により、動作の重さを感じることがほとんどなかった。特に、今回試用した LOOX R/D70の場合、ストレージに128GBのSSDを選択できるため(+3万円)、ディスクアクセスが高速であるという点も速度的な余裕につながっているだろう。
Windows Vista利用時の快適さを示す、「Windows エクスペリエンス インデックス」を確認すると、その秘密が見えてくる。トータルの数字はさほど高くないが、プロセッサやメモリ、プライマリーHDDといった値は「5」前後と比較的高い。それがそのまま、「動作の余裕」につながっているわけだ。トータルの数字が低いのはグラフィック面の点が厳しくつけられているためだが、これにしても、ゲームやビデオ編集などを重視せず、ビジネス利用を中心ととらえれば、まったく問題ないレベルである。
もう一つ、「余裕」が見えてくるのが「発熱の少なさ」である。下のグラフを見ていただければおわかりのように、 LOOX R/D70は極端な発熱が見られない。もちろん、負荷が高まると、排気口からの空気はそれなりに熱くなる。しかし、それがボディに伝わることは少なく、膝の上で利用していても、終始快適に使える。CPU性能の持つ余裕と、きちんとした放熱設計が功を奏しているのだろう。
富士通のノートPCは、底面の特に発熱する部分に「起毛した布のようなものを貼り付ける」という伝統がある。この布で人肌が直接高温部分に接触するのを防ぎ、不快感を減らすのが目的だ。LOOX R/D70では吹き出し口の真下のみに貼り付けられているが、このことも放熱を感じにくくする、という意味ではそれなりの効果をもっていると感じられた。