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あなたの知らないWindows 第10回

使い勝手が改良されたWindows 7の「バックアップ」

2009年08月20日 12時00分更新

文● 山本雅史

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自動バックアップ機能により定期的なバックアップが可能に

 そのほかに、Windows 7のバックアップ機能はスケジュールを設定したバックアップが可能になった。例えば、「毎週金曜日の19:00」といったスケジューリングができる。毎日/毎週/毎月などの指定ができるようになっている。

バックアップのスケジュールも自由に変更できる

 もし、指定した時間にパソコンが起動していなければ、次に起動したときに、Windows 7の「アクションセンター」にバックアップが失敗した(取り消された)というエラー記録が残る。これにより、バックアップがうまくいかなかったことが一目でわかる。

バックアップが失敗すると、アクションセンターにアラート(中央の黄色)が表示される

 バックアップの最中でも、パソコンは基本的に問題なく利用できる。これは、VistaやWindows Serverで採用されている「VSS」(ボリュームシャドウコピー)という機能を使っている。VSSは、ユーザーがファイルを変更したり、プログラムを使用していても、自動的にファイルのコピーを作り、バックアップできる。

 なおWindows 7のバックアップ機能は、初回バックアップ時に全体のバックアップを行ない、その後は必要に応じて、変更部分だけを追加バックアップしていく「差分バックアップ」方式を取る。そのため、最初のバックアップには時間がかかるが、その後は変更された部分だけバックアップされるため、2回目からはバックアップが動作する時間も非常に短くて済む(毎回完全なバックアップを作ることもできる)。日時別にバックアップはどんどん蓄積されていく方式なので、任意の日時のファイルやフォルダーを選んで復元できる。

バックアップイメージには、差分バックアップで作られた複数の日付のバックアップデータがある

バックアップから、任意のファイルやフォルダーだけを戻すことも可能

 バックアップイメージが過度に肥大化しないように、最新のシステムイメージしかバックアップしないように設定したり、古いバックアップファイルを削除したりする機能も用意されている。これを使えば、バックアップイメージをある程度の容量に抑えられる。

最新のシステムイメージだけを残せば、バックアップイメージの容量を少なくできる

 多くのパソコンユーザーは、パソコンのバックアップなどほとんどしていないだろう。しかし、実際にHDDがクラッシュしたりして、OSが起動できないほどのダメージを負うと、OSとアプリケーションを再インストールするのには、多くの時間がかかる。大事なデータなどは、バックアップがなければ元に戻せない。

 Windows 7のバックアップ/回復機能は、スケジュールに合わせた自動バックアップ機能など、一度セットしておけば、ユーザーはバックアップをしていることさえ気づかずにすむ使いやすいものになっている。こうした“転ばぬ先の杖”的な機能は、トラブルがあったときに非常に役に立つ。OSの本体とは別の話だが、ユーザーの利便性を高める良い改良と言えるだろう。

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