7月27日、サイボウズはグループによるメールの一元管理を実現する「メールワイズ 4」を発表した。発表会では新機能の紹介より、「代表メールアドレスがあるところにメールワイズあり」を目指す同社の意気込みや使い方提案などがメインであった。
メールを共有化し「グループウェア化」を実現
メールワイズは公開されているメールアドレスから受信されているメールを複数のユーザーで共有し、一元的に管理するWebベースのソフトウェア。代表メールアドレスなどで受け取ったメールに対する二重対応や対応漏れをなくし、サポートや問い合わせの業務の精度を向上するのが目的。CRM(Customer Relation Management)ツール的な面も持ち合わせるメール管理ツールで、サポート業務などに向いている。登場から6年経ち、導入ユーザーは1500社に上るという。
サイボウズ社長の青野慶久氏は「OutlookやGmailに対抗していこうと大胆なものではなく、サイボウズらしいメールの取り組みをやっていく。今まではサポート業務がメインだったがパートナ・業者間のやりとり、広報のメディア対応、人事部のリクルーティング、社内ヘルプ業務など、いろんなメール窓口で利用できることをアピールしていきたい」と今回のメールワイズ新バージョンの意気込みをこう語った。メールの情報も個人のメールアドレス宛のやりとりではなく、グループウェアのように社員で共有されていく「メールのグループウェア化」が進むというのが、青野氏の持論だ。
マーケティング部長 野水克也氏は、「メールの普及で会っているときより、会っていないときに重要な情報がやり取りされる時代になっています。しかし、気楽に出したメールもログに残り、言質をとられる状態。そのため、普通の企業の顔として、誠意ある対応が必要になります」とメール対応の重要性を語る。サイボウズではメールワイズを用いることで、半年間に約2600名の採用窓口対応を2名で実現できたという。その他、発表会ではサポート以外で活用するユーザー事例も紹介された。
メールワイズ 4の新機能は作業者欄やコメントを付与できる区切り線の追加、UTF-8(多言語)対応、脆弱性への対応、電話サポート対応など、小幅に留まっている。価格は5ユーザー版が29万8000円(税別)で、10月末までのキャンペーン期間中は20%割引価格で提供する。ライセンスに関してはサポートがオプションで更新しなくても利用可能だった従来から変更が行なわれ、2年目以降も継続ライセンスが必要となるサブスクリプション制に移行した。発売は7月27日で、2010年1月までに1000社の導入を目指す。