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東宝特撮Blu-rayセレクション

ゴジラとモスラがBlu-rayで怪獣大決戦!!

2009年07月16日 20時23分更新

文● 吉田 重戦車

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ゴジラ関連アイテム

第一作「ゴジラ」以降、半世紀にわたってプラモデルや解説本など多くの関連商品が世に出ている。ちなみに「ゴジラ」のポスターの左側の「ゴジラ」のゴの字の中に零戦が飛行しているが、本編には登場していない。当時のスタッフの遊び心なのだろう。

 半世紀以上も作られ愛され続けてきたゴジラは、日本を代表する特撮映画だ。最初に見たゴジラ映画は確か『ゴジラ対メカゴジラ』。当時通っていた小学校では児童一人で映画館に入ることが禁じられていたため、父親同行で鑑賞した記憶がある。遠い昭和の思い出だ。

 ゴジラシリーズはブルーレイでの発売が長いこと待たれていたが、9月18日に「東宝特撮Blu-rayセレクション」として5作品が発売されることになった。




【東宝特撮Blu-rayセレクション】ゴジラ(昭和29年度作品)

 初作『ゴジラ』の凄いところは、児童向けの娯楽映画の体裁を取りながらも、戦争映画の雰囲気を色濃く持っているところだ。当時の社会にあった東西冷戦を背景とする「戦争への恐怖」、1954年(昭和29年)の第五福竜丸事件や相次ぐ核実験からくる「核の恐怖」を、ゴジラという怪獣に具現化することで、非常に社会性のある娯楽作品として成立させた。ゴジラ上陸による「疎開」は、終戦から9年後の観客にとって、怪獣襲来以上の実感のある描写だったろう。菅井きん演ずる婦人代議士にも、当時の世相が反映されている(菅井きんは当時28歳の若さだが、劇中ではもの凄い迫力で演技をしている)。

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 見逃せないのが円谷英二の円熟した特撮の職人芸だ。ゴジラの吐く放射能火炎で溶解する鉄塔、脱線する東海道本線の客車、破壊される国会議事堂など見所がいっぱいだ。以降の「ゴジラ」シリーズでも使われることになる伊福部昭作曲の重厚なゴジラのテーマ、軽快な防衛隊のマーチも聞いておきたい。


【東宝特撮Blu-rayセレクション】 空の大怪獣 ラドン

 ラドンは、ゴジラやモスラ、そしてキングギドラに比べて地味な印象がある。主役を張ったのは『空の大怪獣 ラドン』のみで、以降の作品では残念ながら地味な脇役ばかりだ。ところが地味な怪獣ラドンと思って『空の大怪獣 ラドン』を見ると、印象が一変する。衝撃波で長崎の西海橋や博多の繁華街、そして岩田屋デパートを破壊し、航空自衛隊のF-86F戦闘機と空中で戦うラドン。ラドンは十分な存在感で見るものを引きつける。

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 『空の大怪獣ラドン』を初めて見たとき、「ああ、なんて空が青いんだ」と思った。東宝怪獣映画初のカラー作品ということもあるのだろうが、ホリゾント(セット)の青空を飛ぶラドンに強い解放感を感じた。


【東宝特撮Blu-rayセレクション】 モスラ

 ゴジラシリーズでは平和を愛する怪獣として描かれることの多いモスラ。『モスラ』ではザ・ピーナツ演じる小美人と共に印象的に登場したせいか、芋虫状の幼虫や蛾の怪獣というキャラクターの割に女性ファンが多い。その後幼虫はラジコンまで販売された。小美人が歌っている「モスラの歌」は、昭和の名作曲家・古関裕而が手がけ、インドネシア語の歌詞が付けられている。哀調を帯びたメロディは一度聞くと忘れられない。

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 「モスラ」と言えば「繭と東京タワー」という世代も多い。パッケージを見るとわかるが、この当時の東京タワーの周囲に高いビルは無く、東京タワーの存在感が際だっていた。現在の東京タワーが、高層ビルに囲まれて窮屈そうなのとは対照的だ。


【東宝特撮Blu-rayセレクション】 ゴジラVSビオランテ

 1970年代に一度休止していたゴジラシリーズの復活第二作で、シナリオ原案が一般公募、監督に大森一樹、音楽がすぎやまこういちとそれまでのゴジラ作品のイメージを打ち破る。

 ゴジラの造形も大きく変わった。昭和ゴジラは子供の人気を得るために、途中からかなりコミカルな造形となっていた。復活第一作よりゴジラの凶暴さを強調するデザインとなり、復活第二作「ゴジラVSビオランテ」では頭部が小さめになり筋肉質デザインになるなど、「より洗練された凶暴さ」を備えた。本作のゴジラはマニアからはビオゴジと呼ばれ、フィギュアが作られるなど人気が高い。

 敵役の怪獣ビオランテも、バイオテクノロジーの産物ということで、動植物がキメラとなった怪獣という設定だ。人類側の兵器には、前作よりパワーアップした特殊兵器スーパーX2、66式殺獣光線車の正統進化型デザインの92式メーサー戦車などが登場し、まさに特撮マニア垂涎の作品だ。

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 本作の特撮シーンは実際の兵器と、セット内の模型を上手く組み合わせ、大変リアルな映像に仕上げている。ゴジラの放射能火炎で海上自衛隊のヘリコプター護衛艦が爆発、炎上するシーンなど鳥肌ものだ。見る者の意表を突くエンディングと共に「ゴジラVSビオランテ」の見所だ。


【東宝特撮Blu-rayセレクション】ゴジラ FINAL WARS

 ゴジラ50年の歴史を締めくくる作品。ゴジラやモスラ、ガイガンなどゴジラ作品の怪獣のみならず、東宝特撮に出てきたX星人や妖星ゴラス、轟天号なども登場し、オールドファンへのサービスも忘れない。監督は北村龍平、「平成ゴジラ」とも「昭和ゴジラ」とも大きく見せ方の異なる北村流ゴジラが展開されていく。

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 北村流ゴジラ「ゴジラ ファイナル ウォーズ」では、怪獣アクションだけなく、人間のアクションシーンが多い。従来からの怪獣ファンには不満もあろうが、アクション好きには堪えられない展開だ。ケイン・コスギや日清焼きそばU.F.O.のCMでも馴染みのドン・フライとアクションが得意な俳優が起用されており、随所で彼らの格闘やスタントを楽しめる。

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