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手ブレ補正強化のキヤノン「iVIS HF21/HF S11」を試す!

2009年07月16日 13時00分更新

文● 鳥居一豊

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ダイナミックモードの実力は?

 今回、都内(旧古河庭園)にて撮影テストを行なった。コンパクトタイプのHF21と高画質タイプのHF S11は、基本的には同じ傾向ながら映像のまとめ方には違いがあった。HF21はメリハリを効かせたくっきり画質で、HF S11では階調の豊かさ、コントラストの高さを感じさせる高精細な映像だ。


HF S11手ブレ補正(ダイナミックモード)



HF S11手ブレ補正(スタンダードモード)



 まずは新採用のダイナミックモードを試してみた。洋館の前にある階段を上り、右に曲がったところで身体をひねって洋館を追っている。こちらは比較用として、ダイナミックモードのほかにスタンダードモードでも撮影を行なった。

 ダイナミックモードの撮影はかなり安定感がある。階段を上っているときの上下動はほとんど抑えられ、坂道を歩いているように感じる。身体をひねった状態になっても、上下左右のブレはほとんどない。ただし、そのせいか手首の回転による動きが目立ってしまうように感じた。

 スタンダードモードとなると、上下左右の動きなどに追従できず、画面のブレが目立ってしまう。もともとこれは望遠時のカメラの動きを抑制するものなので、撮影条件によって使い分けるといいだろう。


メリハリ型のHF21と
映画のような雰囲気のある映像のHF S11

 続いて、洋館を背景にしてバラ園の撮影を行なった。HF21は洋館の日陰の部分が黒く潰れがちで、洋館の窓の奥の室内はほとんど見えない。逆に直射日光の下の白い花はやや白飛び気味。このため明暗のくっきりした映像になっている。

 赤い花の色が濃厚に出るようで、暗部もやや赤に寄る傾向がある。決して派手な色再現をするわけではないが、やや演出を加えて色彩感のある映像に仕上げているものと思われる。

 一方のHF S11では、HF21より精細感が向上し、白い花の微妙な色まで描き分けるなど、ディテールの描写にも優れている。こちらは暗部もかなり再現できており、日陰の微妙な陰影もよくわかる。

 しかも、影の部分の草花の緑がしっかりと出ており、赤い花の濃淡も明瞭に描くなど、よりリッチな色再現をする。色再現が濃厚なせいもあり、映像に独特の雰囲気がある。フィルム撮影の映画のような温かみのある映像に感じた。

 撮影した動画のサンプルファイルを用意した。ファイルの再生にはAVCHD対応プレーヤーなどの再生環境が必要となる。


両機種とも表現力がアップ!

 キヤノンのビデオカメラは、これまでは忠実感を重視したものと感じていたが、最新モデルのHF21やHF S11の映像を見ると、忠実な撮影を一歩推し進め、表現力のある映像の撮影ができるようになったと感じた。

 HF21のくっきりとした映像も手軽に撮影をしたい人には好まれそうだし、それ以上の映像表現まで考えるユーザーにはHF S11のフィルムのような味わいのある映像は興味深いところだろう。

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