考え方――
スピード重視のExcel「1枚企画書」
昨今、プレゼンのみならず企画書(報告書、提案書を含む)作成の標準ソフトといえばPowerPointだが、とくに営業など数値を扱う人の間では企画書もExcelで作成するという人は少なくない。本書はそんな“絶対Excel派”の人、および「スピード企画」「スピード決裁」を実現したい人に、まったく新しい企画書作成法を提案するものである。
Excel「1枚企画書」の可能性
文書に関わるすべてのことをExcelで処理したいという人がいます。
たとえば日常的に数字を扱う営業の人がそうですが、集計した表をそのままExcelの文書に落とし込みたいというのは、スピードの点でも、作業効率の点でも当然といっていいでしょう。
企画書作成ソフトというと、本来プレゼン(提案・発表)用に作られたPowerPointが一世を風靡していますが、Excelで代用することも可能です。いいえ、用途によってはPowerPoint以上のパワーを発揮するといっても過言ではないのです。
とりわけ前著『パワポで極める1枚企画書』(現アスキー・メディアワークス刊)で紹介した「1枚企画書」に限っていうと、PowerPointと双璧を成すパフォーマンスを誇っています。
PowerPoint「1枚企画書」と比較したのが下図です。
どこに何が記載されているかが明確
数字を扱う人というのは概して忙しい人です。そして営業ノルマを課されるなど数字にシビアなものが求められる人です。
Excelを企画書に使用するのは、集計表をそのままグラフにして企画書に落とし込めるというアドバンテージがあるからですが、それ以上に重要なことは、一度作った文書を別のケースでも使い回しができるという点にあります。実際、企画のプロではないビジネスパーソンだとそうしたケースにしばしば遭遇するはずです。
受け取る側からすると、たとえば営業部長がその企画書に何を見るかというと数値的な根拠です。企画それ自体がすぐれたものでも数値に実現可能な根拠がないと判断されれば、当然ボツになります。
Excel「1枚企画書」は、その数値的根拠を定位置に据えた企画書です。たとえば商品企画を提案して予算の計上をお願いするケースだと、「これがこの企画の具体案で、この予算で実行することができます」という内容をグラフ中心に浮かび上がらせることが最大のメリットです。
この“定位置主義”に則ったオリジナルのフォーマット(定型文書)を作り、日々の企画書作成作業を快適かつスピーディーに行おうというのが、本書が提案するExcel「1枚企画書」なのです。
Excel「1枚企画書」の特徴
イメージとしては、PowerPoint「1枚企画書」がフリースペースに自由に図を描き入れ、論理的なことは四角形などの箱に入れ、それを矢印でつなげて見やすくした「マップ」であるとしたら、Excel「1枚企画書」はこれから作る「建築物の図面」で、どこをどう案内していけばその良さをわかってもらえるかを思考するのに似ている。論理的であるのと同時に、見た目でも「立体建築」のようにデザイン性豊かに構築することも可能である。
1 特徴
- PowerPoint「1枚企画書」
- デザイン性重視
- Excel「1枚企画書」
- スピード重視(デザイン性も豊か)
2 提案場所
- PowerPoint「1枚企画書」
- 社内、社外共用
- Excel「1枚企画書」
- 主に社内向け
3 見せ方
- PowerPoint「1枚企画書」
- テキスト入りのブロック(箱)をフロー(矢印)で流れを作って見せる
- Excel「1枚企画書」
- セルを区切って作ったボックス(箱)を番号やアルファベットの順に見せる
4 強み
- PowerPoint「1枚企画書」
- 多種で多彩な図形を駆使して、「見せる」プレゼンが可能となる
- Excel「1枚企画書」
- グラフをメインに論理を構成し、「説得力のある」プレゼンが可能となる
5 用途
- PowerPoint「1枚企画書」
- 複雑、難解な内容も、フロー図解でわかりやすく説明できる
- Excel「1枚企画書」
- 成功パターンが凝縮されたフォーマット(定型文書)として利用できる
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