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Excelでマスター「ビジネスデータ分析」実践の極意 第3回

Excelピボットグラフで多角的に分析する

2009年06月03日 09時00分更新

文● 住中光夫

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さまざまな観点からグラフを見る
――ピボットグラフでの項目移動

 ピボットグラフの各項目欄は、ピボットテーブルと同様にボタン形式になっています。そのため、グラフ上で項目の移動や追加、削除を行ない、さまざまな観点からデータを分析できます。


ピボットグラフの項目移動による変更

 Excelの普通のグラフと異なるピボットグラフの特徴は、グラフ上で自由に項目移動や条件付けができることです。このことが、ピボットグラフをデータ分析の主力ツールとして位置付けています。スライス&ダイス分析※1ドリルダウン分析※2が、このピボットグラフで簡単に行なえます。

※1スライス&ダイス分析 データをさまざまな切り口から眺めて、視点を深く分析する手法を「スライス分析」という。一方、サイコロ(ダイス)を転がすように軸を変えることで視点を変えて分析する方法を「ダイス分析」と呼ぶ。

※2ドリルダウン分析 大きな事柄を細分化して、詳細な事柄に分析対象を移していく手法。

キーワード――
ピボットグラフの特徴

 ピボットグラフは、グラフ上で直接、表示項目の移動や追加、削除が行なえます。それゆえに、単なるグラフではなく、ピボット(回転する)グラフなのです。

 ピボットグラフ上の項目の移動、追加、削除の操作は、ピボットテーブルと同じ要領で、ボタンになっている項目のタイトルを、任意の欄にドラッグして行ないます。

ピボットグラフの変更手順

ピボットグラフの変更手順


解説――
この項で使用するピボットグラフ

 ここで使用するピボットグラフ「担当別業種別売上グラフ」は、次の手順で作成しています。

 まず、「売上.xls」を開き、ピボットテーブル表を作成します。[担当者名]を行欄へ、[業種名]を列欄へ、そして[売上額]をデータ欄へドラッグします。続いて[グラフウィザード]ボタンをクリックすればOKです。

上記サンプルとして使っている「売上.xls」ファイルは、公式サイトよりダウンロードしてご利用いただけます。


操作事例

 担当別業種別売上グラフ(売上.xls)を使って、3つの操作を行ない、グラフを変更してみます。まず、新規項目の「課名」を項目欄の「担当者名」の前に追加します。


ピボットグラフへの新規項目の追加

操作――
新規項目の追加

ピボットテーブルのフィールドリスト

ピボットテーブルのフィールドリストから、追加したい項目をドラッグ&ドロップする

 [フィールドリスト]から[課名]を項目欄の[担当者名]の前へドラッグします。

ドラッグ&ドロップした項目

ドラッグ&ドロップした項目が追加された

 [フィールドリスト]の項目は、グラフ上の各欄に自由に追加できます。


解説――
新規項目の追加による変更

 項目の追加により、「担当別業種売上グラフ」から「課別担当別業種売上グラフ」になります。

 この複数項目でのグラフ作成がピボットグラフの特徴です。


OnePoint――複数項目をドラッグする位置

所属部署と名前の位置を入れ換えた

所属部署と名前の位置を入れ換えたグラフ

 項目を追加する際、すでにある項目の前後どちらに移動するかで、グラフの内容が変わってきます。

 たとえば、上記手順で[課名]を[担当者名]の後ろにドラッグすると、担当者名が優先され、担当者別の参考として課別付きの業種別グラフになります。課名入りの担当者グラフを表示するときに便利です。このように、各欄内でも自由に位置を移動できることで、分析視点も変わります。

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