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産直通販のPRはイベント活用! (1/2)

2009年02月03日 12時24分更新

文●森本 繁生/合資会社 逸品 社長

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食べ物は現地でいただくのが一番

 そもそも甘党ですが、お酒も味わいを大切にしていただきます。

 一昨年までニュージーランドに半移住していた時には、最も日照時間が長いとされるワイナリーがたくさんある地域に住んでいました。ワイナリーから直接買い込んだキリッと冷えた白ワインを夕食時に1杯いただくのが幸せでした。

 そこで日本に帰る時に、最もお気に入りだったワインを持って帰りました。日本の3分の1の価格で手に入る名物ワイン。帰国するとすぐに開けて飲んでみたところ……。

「あれ?! こんな味だったかな??」

 違うのです。全然。いつもニュージーランドで飲んでいたあの幸せ感がない。長距離持ち歩いたのでお酒が疲れているのかな? と思って少し冷蔵庫で寝かせてみましたが、やっぱりあの感動は日本では味わえませんでした。

 それでは、ということで今度は好きな日本酒をニュージーランドに持って行ったところ……。

「まずい。」

 恐らく気候が大きな要因だと思いますが、これほどまでに、甘党の私でもわかるくらいに「その土地のものは現地でいただくのが一番」と実感したことはありませんでした。

 後日、マレーシアに行った時にはタイガービールのうまいこと。宴会でもビールをほとんど飲まない私が大瓶一本をすぐに空けてしまいました。

 このような経験があってから、私は地方に出張すると必ず地元の食材やお酒をいただくようにしています。できるだけ県内のものにこだわります。そのほうがおいしいし、安いし、地元の人も喜ぶし、フードマイレージも短くて済む……などといいことばかりです。

 さてそうすると……ECなどで産地直送の通販で買う食材というのは「2番目にうまいもの」ということになります。そしてそろそろみんなそれに気づき始めていますね。


これからの産直のPR方法は?

 それでは、2番目にうまいものとわかっていながらわざわざ通販で産直する意味は何でしょうか?

  • 現地に出向く交通費と時間を節約するため
  • 近くで買うより確実にうまいものを買うため
  • スーパーで重たい荷物を持たなくて済むようにするため

 といった理由が考えられます。しかしながら送料の高さや納期がかかることなどを考慮に入れると、これらは「絶対に何が何でも買いたい!」という要因とはなりません。

 これらは極めて論理的に考えた理由です。しかし特に食品の通販というのは、そもそもあまり論理的な理由で買っていることは少ないもの。「おいしそう!」「食べたい!」という類の、心が動いている状態から購買が発生するのです。

 普通にページを出して、モールに出て、検索エンジン対策をしてメルマガを打って広告を買えば売り上げは上がります。しかしもう少し強い理由がないと、一度買ったお客様は「他にもっとおいしいところ、対応のいいところはないかな」と同じ商材を打っている産直ショップを渡り歩くことになります。

 しかも、既に現時点ではたくさんの産直ショップが世に出ています。では特にこれから農業を頑張って産直ショップを運営したいと思う方はどうすればいいのでしょうか?

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