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「売ること」以外のネット活用 (1/2)

2008年08月26日 12時22分更新

文●森本 繁生/合資会社 逸品 社長

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ネットは物を売るためにできたのではない

 ネットショップはウェブサイトで商品を売ることがもちろん命ですが、そればかりにとらわれてもっと大事な可能性を見逃していませんか?

 ネットはそもそも「物を売る」のためだけにあったのではありません。離れた場所の人と、時間を超えて、ある時は言葉の壁も越えてコミュニケーションする敷居を大きく下げたすばらしいツールです。

 あなたのネットショップのビジネス力を上げるサイト活用方法をもう一度考え直してみましょう。ただし、そのためにはビジネスモデルの洗い直しが必要です。まず次のことを点検してみましょう。


1.あなたのネットショップは儲かっているか?

 基本的すぎますか? しかし笑えない人も多いのでは?

 がんばってもがんばってもしんどいビジネスって、そもそも儲からないビジネスであることが多いはずなんです。はっきり言うと、利益が取れないビジネス。

 あなたの仕事はやっているのが楽しくて仕方がないくらい、圧倒的に儲かる商材とお客様を持っていますか?

 自信を持って「はい」と言えない方は、まず売ることよりも売る前のことを考えるべきです。

  • メーカーさんならば、原材料を安く仕入れられているか? 消費者に支持される商品を製造しつづけられているか? など。
  • 小売りの立場ならば、圧倒的に安く継続的に強い商品を仕入れられることができているか? など。
  • どんな立場にしても仕入れ先から強い信頼感を得られているか?

 これらの根本的なビジネスの問題は、ウェブサイトを使って強化することが可能なんです。その事例は後ほど。


2.自分のお客様を持っているか? それはネットのお客様だけか?

 ネットのお客様に売るのは当然のことですが、「ネットのマーケットはリアルのたった1%前後」という現実も知っておくべきです。

 ネットでリアル店舗の集客をして、さらにそのお客様をネットでリピーターにする、というハイブリッドな手法が最近よく見受けられます。これはモールではできない独自ドメインショップの強みです。

 モールでリアル店舗のお客様を取ると「重大な課金回避行為」などと言われて退店になる場合もありますが、そもそも自分のお客様リストをきちんと持っておくのが事業として自立していると言うこと。モールで販売シェアを上げるのもすばらしいことですが、すべてを依存してしまわないように常にリスク分散しておくべきです。

 ではそれぞれのポイントの実践例を見ていきましょう。

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